米国企業が“ストーリーテラー”の採用を強化中。メディア環境の変化でブランドの物語性が重要に?
さまざまな業界の企業が、自社の物語(ナラティブ)を紡ぐ専門家である「ストーリーテラー」の採用を強化しているようだ。
人工知能(AI)の台頭や伝統的なジャーナリズムの衰退を受け、企業は顧客との間に本物の絆を築くために、古くからある「物語を語るスキル」の重要性を再認識しているという。
大手企業が続々と専門チームを組織
報道によると、米国企業の間で「ストーリーテリング」がバズワードになりつつあるという。
Googleはクラウド部門に顧客獲得と長期成長を牽引するストーリーテリングチームを構築中であり、Microsoftのサイバーセキュリティ部門もナラティブとストーリーテリングを統括するシニアディレクターを求めているそうだ。
また、フィンテック企業のChimeや、セキュリティ企業のVantaなども、ストーリーテリングの責任者や編集ディレクターを募集しており、Vantaに至っては年俸27万4000ドル(約4000万円)を提示しているという。
Notionは広報やSNS、インフルエンサー部門を統合し、一つのストーリーテリングチームとして再編したそうだ。
投資家へのアピールと求人市場での急増
企業は株主に対してもストーリーテリングへの注力をアピールしており、決算説明会や投資家向けイベントでの言及数は10年前の約3倍に増加しているという。
LinkedInの求人情報でも、「ストーリーテラー」を含む募集はこの1年で倍増し、約7万件に達しているらしい。
これらの職種はコピーライティングや編集、広報などのスキルを統合したものであり、ジャーナリストやコンテンツ制作者、脚本家などをターゲットにしているようだ。
かつて企業はパブリシティを健全なメディアエコシステムに依存していたが、主要ニュースサイトへの訪問者数が減少する中、自ら物語を発信する力が必要とされている。
今後は、企業やスタートアップのニーズに応える形で、ブランド主導の物語エンターテインメントの時代が到来するかもしれない。






