駅近より、沢の音。全国452件から探せる「沢バンク」という不動産検索
沢バンク株式会社が運営する土地検索ポータル「沢バンク」が、全国47都道府県・452件の掲載を達成したと発表しました。沢や川に接する土地だけを集めた、おそらく日本で唯一の専門サイトです。

「沢」で絞り込める不動産サイトは
どこにもなかった

出発点は、代表者自身のごく個人的な体験だったといいます。「沢のある土地が欲しい」と思い、大手の不動産ポータルで検索しようとした。
ところが、そんな絞り込み条件はどこにもなかった。
駅からの距離、面積、価格、用途地域──不動産検索の軸は、基本的に「都市での暮らしやすさ」を前提に設計されています。
キーワードで「沢」と入れても、沢田、沢井、大沢といった地名が大量にヒットするだけ。「敷地のそばを沢が流れている土地」を横断的に探す方法は、事実上存在しなかったのです。
ないなら作る。そうして生まれたのが沢バンクでした。
掲載物件は沢との関係を「敷地内を流れる」「敷地に接する」「すぐ近く」の3段階で表示。価格帯は5万円から25億円まで並んでいて、このカオスさがまた面白い。
「推定」と「実在」を絶対に混ぜない
原野商法と区別するための設計

このサービスの技術的な背骨になっているのが、自社開発の解析システム「SAWA」です。
仕組みはこうです。まず、林野庁が公開している1メートル単位の地形データから、水が集まりやすい筋を計算で割り出す。次に、地図に記載のある河川や公図上の水路と照合して、その筋に裏づけがあるかを確認する。最後に、法務省の登記データと重ねて、どの土地に沢が接しているかを地番単位で判定する。
注目すべきは、この3つの情報を「混ぜない」と決めていること。
地形計算から「沢がありそう」と推定した層、航空レーザーや写真で実在を確認した層、公図や河川法上の法的な層。それぞれ色と線種を分けて表示しています。
理由は明快です。推定にすぎない沢を実在の川のように見せて土地を売れば、それは原野商法と区別がつかなくなる。だから混ぜない。
さらに、サイトでは「できないこと」を冒頭に列挙しています。水の有無は判定できない、暗渠や木の下を流れる細い沢には検出限界がある、水利権の判定はできない──。
「できます」より先に「できません」を並べるサービスは珍しい。でも、この正直さこそが信頼の設計なのだと思います。
検索条件にならなかった欲望に
名前を与えるということ

2024年の移住相談件数は過去最多の61,720件を記録し、4年連続で増加しています。「どこに住むか」を考えるとき、駅距離や通勤時間ではなく、水の音、木々の匂い、地形との関係で場所を選びたい人が確実に増えている。
沢バンクは、そうした「検索条件にならなかった欲望」に名前を与えたサービスだと言えます。
考えてみれば、私たちが不動産サイトで検索できるのは、誰かが「これは検索条件にすべきだ」と決めたものだけ。眺望の抜け感、風の通り道、朝日の入り方──言語化されていないだけで、土地を選ぶ本当の理由は、もっと感覚的なものかもしれません。
あなたが「検索できなくて諦めていたもの」は、何でしょうか。
沢バンク
【掲載件数】452件(2026年8月8日時点)
【対応言語】日本語・英語・中国語
【利用料】閲覧無料、掲載料・成約手数料ともに無料
【公式サイト】https://sawabank.jp






