Jリーグ初、服の「パスポート」。カターレ富山が始めた循環の実験
サッカーのユニフォームは、いわば「着る応援」です。
好きなクラブの色を身にまとい、スタジアムで声を張る。シーズンが終われば、クローゼットの奥にしまわれるか、やがて手放される——そんな一方通行の関係が、少しだけ変わろうとしています。
二次元バーコードの先に
見えるのは「服の来歴」

J2リーグ・カターレ富山の2026/2027シーズン向けリミテッドユニフォームが、この8月に販売を開始しました。
手がけたのは、富山に創業の地を持つゴールドウイン。
注目すべきは、このユニフォームに「デジタルプロダクトパスポート(DPP)」が試験導入されていること。
Jリーグの公式ユニフォームとしては初の試みです(ゴールドウイン調べ、2026年8月現在)。
DPPとは、製品一着ごとの素材構成やCO2排出量、修理窓口、回収・再利用の方法といった情報を、デジタル上でまとめて閲覧できる仕組みのこと。
ユニフォームに付いた二次元バーコードをスマホで読み取るだけで、その一着がどんな素材からできていて、どれだけの環境負荷を生み、どう手入れすれば長く着られるかが分かります。
いわば、服についた「履歴書」。
応援グッズとして感情で手に取るものに、もっとも理性的な情報がひもづく——その組み合わせ自体が新鮮です。
「買って・着て・捨てる」から
「知って・直して・還す」へ

この取り組みは、突然生まれたわけではありません。
ゴールドウインとカターレ富山は2022年から「GREEN PROJECT」という共同プロジェクトを続けてきました。
ホームゲームの会場で、ファンが着なくなった衣服をメーカー問わず回収する活動です。
2026/2027シーズンも計10回の回収が予定されていて、スタジアムに応援に行くついでに、クローゼットの整理もできる。
「観戦」と「循環」が同じ動線上に乗っているのがポイントです。
リミテッドユニフォーム自体も、身頃のポリエステルのうち44%がリサイクル素材。
立山連峰の稜線をモチーフにしたダークネイビーのデザインは、襟付きでタウンユースにもなじむ仕様になっています。
襟の内側には「富山を背負え。」の文字。試合の日だけでなく、日常でも着てほしいという意志が見えます。
「自分の服」にも
パスポートがつく未来

私たちのクローゼットには、素性の分からない服がたくさんあります。
どこの工場で縫われたのか、どんな染料が使われたのか、捨てるときにどうすればいいのか——知る手段がほとんどない。
DPPはその「知らなさ」を埋める技術です。
今回はJ2の限定ユニフォームという小さな実験ですが、服と人の関係を「消費」から「対話」に変える入口になるかもしれません。
カターレ富山の椎名伸志選手は「素材の背景を知ることで愛着が深まる」とコメントしています。
応援の熱量はそのままに、一着の服が持つ物語を知る。それだけで、着る体験はずいぶん変わるのではないでしょうか。
26/27 KATALLER TOYAMA Limited Uniform
【価格】25,300円(税込)〜 ※背番号・名前等の加工は別途
【サイズ】S / M / L / O / XO / YO
【販売】カターレ富山公式オンラインストア、太陽スポーツ富山店
【選手着用試合】2026年11月3日 第15節 ベガルタ仙台戦 / 11月15日 第17節 徳島ヴォルティス戦 / 11月21日 第18節 大分トリニータ戦 / 12月6日 第21節 RB大宮アルディージャ戦
【公式サイト】カターレ富山






