ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 5」、接着しない高級イヤホンという新基準
完全ワイヤレスイヤホンを2〜3年で買い替えた経験、ありませんか。音はまだ好きなのに、バッテリーがへたって手放す——あの「もったいなさ」に、老舗オーディオブランドがフラッグシップ機で答えを出しました。
音質を追い込むほど
「開けられない」が常識だった

ゼンハイザーが2026年9月3日に発売する「MOMENTUM True Wireless 5」は、同ブランド初となる、ユーザー自身でバッテリーを交換できる完全ワイヤレスイヤホンです。しかもイヤホン本体だけでなく、充電ケース側の電池も自分で替えられます。
店頭想定価格は税込49,940円。いわゆるハイエンド帯のど真ん中です。
この価格帯の製品は、音質を極限まで追い込むために内部を接着・密閉するのが当たり前でした。隙間をなくすほどノイズは減り、ドライバーの性能を引き出せる。つまり「開けられない」ことが、ある意味で音質の証明だったわけです。
そこにゼンハイザーは「開けられるフラッグシップ」を持ち込みました。
「手放す理由」を設計で消す
という発想の転換

背景には、EUで2027年2月から施行される電池規則があります。ワイヤレスイヤホンを含むポータブル機器に、ユーザーが電池を交換できる設計を義務づけるものです。
ただ、規制対応だけなら「最低限の開閉機構」で済む話。ゼンハイザーがフラッグシップでやった意味は、もう少し深いところにありそうです。
同社はプレスリリースで「一つの製品をできるだけ長く大切に使ってほしい」と記しています。音響面でも妥協はなく、自社開発の「TrueResponse」ドライバー——IEシリーズの開発で培った音響技術を応用した広帯域ドライバーを搭載し、前モデルから低域のクリーンさや高域の抜け感を改善したとのこと。
バッテリーはイヤホン単体で最大12時間、ケース併用で最大40時間。マイクは前モデルの6基から8基に増え、骨伝導センサーとAI処理で通話品質も底上げしています。
つまり「電池が替えられるから音はそこそこ」ではなく、「音も機能も上げたうえで、なお開く」。手放す理由をひとつずつ設計で消していく、という思想です。
「買い替え」ではなく
「手入れ」という選択肢

1945年創業、80年超の歴史を持つゼンハイザーが出したこの一手は、高級イヤホンの「所有」の意味を静かに書き換えるかもしれません。
消耗品として数年で循環させるのか、道具として手入れしながら付き合うのか。5万円という価格は、その問いを自分ごとにするのにちょうどいいリアリティを持っています。
「開けられる」というたった一つの設計変更が、買い物の基準を変える——そんな予感がします。
MOMENTUM True Wireless 5
【ブランド】SENNHEISER(ゼンハイザー)
【発売日】2026年9月3日
【価格】オープンプライス(店頭想定価格 税込49,940円)
【公式サイト】MOMENTUM True Wireless 5 製品ページ






