東京都八丈町で「2杯目は島焼酎」条例が誕生。11月1日より施行

外食の席で、最初の一杯に何を選ぶでしょうか。多くの人が「とりあえずビール」と頼む光景は、居酒屋などでよく見られます。

各地の自治体で地酒による乾杯を促す条例が広がるなか、東京都八丈町が一風変わった条例をつくりました。最初の一杯を無理に変えようとせず、お酒の席の自然な流れに寄り添う試みです。

最初の乾杯を譲り
2杯目から合流する現実的な視線

赤い器に並んだ島焼酎の5種利き酒セットと島魚の刺身。ラベルにはそれぞれの銘柄名が記されている
© 八丈町

八丈町議会は2026年9月7日、「2杯目は八丈島焼酎にしようを推進する条例」を可決しました。施行は今日、2026年11月1日です。

従来の乾杯条例は、1杯目から地酒を飲むことを推奨する例が多く見られました。しかし、喉を潤したい最初の一杯にビールなどを求める生活者の習慣とは、時にギャップが生まれていました。

そこで八丈町は、最初の乾杯を普段の好みに委ねる道を選びました。2杯目を契機に島焼酎へ手を伸ばしてもらえればよいという、生活者の実感に即した寛容な提案です。

罰則や強制はありません。食事とお酒を楽しむ自然な流れのなかで、気軽に地域の味と出会ってもらうことを目指しています。

1杯の酒をハブにして
島の多彩な食文化全体へ

カウンターに並べられた八丈島焼酎の多彩な銘柄のボトル群
© 八丈町

八丈町によると、この条例の狙いは単なる焼酎の消費拡大にとどまりません。八丈島焼酎をハブとして、豊かな食文化全体に関心を持ってもらうことが目的です。

八丈島には、くさや、明日葉、新鮮な島魚、八丈フルーツレモン、うみかぜ椎茸など、独自の風土に根ざした食材が数多くあります。

島の公式観光アプリの調査でも、観光客の関心が最も高い項目として「食」が挙がっています。焼酎をきっかけに料理や歴史へ関心が広がれば、生産者や飲食店の需要が高まることが期待されます。

食の魅力で人を惹きつけ、再来島へつなげる好循環を描いていると同町は説明します。羽田空港から飛行機で約55分の島が仕掛ける、お酒から広がる新しい地域づくりではないでしょうか。

発酵中フェス 2026

【会期】2026年11月1日(日)10:00〜17:00
【会場】八丈町役場 多目的ホール「おじゃれ」
【料金】入場無料

Top image: © 八丈町
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。