Googleの「10の黄金ルール」や、MITの調査に学ぶ「最高のチームビルディング術」とは?
会社や学校・あるいはスポーツのチーム、十分なコミュニケーションは取れているでしょうか?実はチームワークの生産性を上げるために最も大きな影響を与えるのは、「人格」でも「能力」でも、「作業の効率化」でもなく、コミュニケーションをとるという一点に尽きるのかもしれません。
かつて話題になった、Googleの「黄金ルール」にはこんなことが書かれていました。
1.雇用はチームで行うこと2.従業員のニーズに答えること3.チームは一カ所に集めること4.調整作業をスムーズにすること5.自社製品を使うこと6.悪魔にならないこと7.クリエイティビティを奨励すること8.多数で行った決断を尊重すること9.データ主体の意思決定をすること10.コミュニケーションを大切にすること
この10項目の多くに共通しているのは「チーム」で決定を行い、議論し、調整していくことを重んじる文化。それが言葉の通り「チームワーク」を表しており、生産性に大きな影響を与える可能性として考えられていたと言えます。
そして、マサチューセッツ工科大学(MIT)の人間工学研究所が行った調査でも、似たような事実がデータとして見えてきているようです。
21の企業を対象に行った調査では、2,500人の衣服にモニタリング用デバイスを装着、行動を7年間にわたり分析しました。その上でわかったことは、意外にシンプルなことばかり。
それ以外にも、多くの企業で行われているチームビルディング術を以下にまとめて紹介します。
01.
直接、対面して接する
様々なチームの行動と作業効率を比較したところ、生産性を上げるために必要だった連絡の手段は、メールや電話、スカイプよりも「対面」という結果になったそうです。参照されたのは、連絡の回数と動作でした。
対面でのコミュニケーションには頷くなどの身体的動作が加わるため、メールなど遠隔でのやり取りをする人々とは決定的な違いが現れます。スカイプで見える表情でのやり取りよりも、身振り手振りが見える直接的な会話に軍配が上がりました。
意図的に「対面して話す」機会を増やした場合、チーム全体の効率は35%以上も向上したそうです。
02.
全員、一緒に休憩をとる
ある銀行のコールセンターで行われた実験では、休憩時間を全員同じタイミングでとるように変更。
すると、平均作業時間は20%減少し、従業員満足度が向上。テストの期間外で25,000人ものスケジュールを一気に調整した際には、およそ18億円にもおよぶ大幅な増収が見られたそうです。
03.
チームの目標を明文化する
Googleをはじめ、一流と呼ばれている会社では、社訓や目指している理想の姿が明文化されています。外資系の企業では、ミッションを入社前に暗記させるところも多く、国内の企業も例外ではありません。
理想がしっかりと共有されていることで、日々の些細な仕事が目標の達成が関わっていると考えるようになり、一つひとつの作業のブレを最小限に抑えることができるのかもしれません。
04.
メンバーに格差を作らない
プロ野球のチームにおいては、選手ごとの年俸の差が小さいチームほど、チームワークがいいそうです。微妙な差があることで生まれるライバル心もありますが、あまりに差が激しいと、モチベーションを失いかねません。
何も、給料・報酬に限った話ではありません。常に能力のある特定の人間のみを優遇していると、従業員はモチベーションをどんどん失ってしまう傾向にあるようです。
05.
失敗談を語りあう
シリコンバレーで注目を集めたイベントで、今は世界中で行われるようになった「失敗会議(FailCon)」。もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。
「成功者のサクセスストーリーは役に立たない」
というコンセプトのもと語られる、様々な過去。あえて失敗した話をチームで共有することで、より一層関係性を深めることができるのだそう。
また、どんな解決策をとればいいのか、複数の視点で話し合うことで今後のアクションの精度が上がると言われています。
06.
安易に「NO」と言わない
コーヒーチェーン最大手のスターバックスには、「Just Say Yes」 ポリシーというものがあるのだとか。これは、お客様の希望を叶えることができない場合でも、決して否定的なことばを使わないというもの。それによって、拒否されたという印象を与えずに、プラスなイメージに変えることができるそうです。
チームメイトに対しても、できないことをすぐに断るのではなく、代案を出すなど、ポジティブな対応を心がけることが全体にいい影響を与えるのかも。
07.
同じ本を読む
入りたい企業ランキングのトップランカーでもあるザッポスでは、全社員が業務の10%にあたる時間を「社員と顧客に幸せを届ける」研究に取り組んでいるそう。さらに、マネージャー職では10-20%の時間を「チーム・ビルディング」にあてることが義務づけられています。
そんな中、とても有名なのが、社内にある本棚。だれでも自由に手に取って読むことができ、社長が読んだ本もおいてあるため、社内の知識共有のひとつのプラットフォームになっているようです。