サステナブルな巨大建築。NIKEの新社屋「セリーナ・ウィリアムズ・ビルディング」
2022年4月27日、米ポートランドに本社をかまえる「NIKE」は、敷地内に新しく建設された「Serena Williams Building(セリーナ・ウィリアムズ・ビルディング)」を公開した。
史上最強とも称される女子テニスプレーヤー、セリーナ・ウィリアムズの名を冠した新社屋は、アスリートとしての偉大さと、ヴィーガンとして日頃からプラントベース中心の食事を心がけている彼女の姿勢が大きく反映されている。
たとえば、環境に配慮し建物の20%以上をリサイクル資源で建設。さらに648枚のソーラーパネルを設置することで再生可能エネルギーを使用し、ソーラーパネルなしの状態と比べてエネルギー消費量を41%削減している。
建物はアメリカが保護する湿地帯に隣接しているものの、1000種の自生植物種を保護するデザインで、生物多様性への配慮も欠かさない。
どこまでもサステナビリティに注力した建築となっている。
外観にはセリーナのイニシャル(SとW)を組み合わせたロゴや彼女をモチーフにしたアートが飾られるなど、建物全体で稀代の女子テニスプレイヤーの偉大さを示すコンセプトとなっている。
敷地内には20万平方フィートのラボスペースを完備。ナイキのカスタマークリエイションチームがアクセスし、製品開発や商品化における新しいアイデアを試すという。
また、14万平方フィートのショールームとワークスペースは社員グループ同士で刺激し合えるよう、コミュニケーションが取りやすい開放的な設計に。
他にも、フットウエアの材料が展示されているライブラリやカラーラボ、セリーナ・ウィリアムズの娘オリンピアの名が付けられた劇場「オリンピア・シアター」など、社員の創造力を掻きたてる要素が溢れる。
スポーツと人々の未来を創るという強い“意志”が感じられる「セリーナ・ウィリアムズ・ビルディング」。一体、この場所からどんなアイデアが生まれてくるのだろうか。