未来の人類は海上に住んでいるかもしれない。明かされた「海上都市」構想

サステイナブルなスマートシティが海上に実現したら……。その答えになるだろう、遠くない未来都市の姿の提示。

海上建築スタートアップ「N-ARK(ナーク)」が、海上未病都市「Dogen City|同源都市」の事業構想を公表した。

©株式会社N-ARK

この構想の背景にあるのは、「NEW OCEAN」と名付けた新たな海洋経済圏の創出。

地球の70%を占める海を生存圏と捉え、海上都市の形成を通じて新たな経済エコシステムを生みだそうという考えだ。

具現化に必要なひとつのファクターとしてイメージされた「Dogen City」は、海上に建造物をつくり海水を用いた農業を営む事業を展開する。

この都市の成立に必要になるのは、次の3つのインフラプロダクト。

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1つ目は「リング」と称した居住可能なゾーン。船のような形状で内湾を保護し、津波も防ぐという。

2つ目は「海中エッジデータセンター」。都市運営の管理・制御を司る都市OS「Dogen」の稼働や、ヘルスケアデータ分析、創薬シミュレーションなどの高付加価値サービスをここから提供する。

3つ目となるのは「浮体建築」で、土地制約を受けずに内湾を自由に移動可能にする施設の数々は、都市機能を柔軟に組み替えることを可能にする。

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「Dogen City」は医食住の魅力を備え、この都市ひとつで完結もできる構想だ。平時には海上未病都市として機能し、自然災害時にはスタンドアローンでも生活基盤が成立し、さまざまな気候変動にも適応できる持続可能なスマートシティの姿がそこに描かれている。

さらに、海水農業と複合養殖で生まれる食材やクイジーン、海水温泉を組み合わせたメディカルツーリズムを提供することまで想定している。

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規模は直径1.58km、周囲約4kmで、「1里1時間」に相当し、1万人の住民が活動するとのこと。詳しい姿やその構想は以下の動画や「N-ARK」WEBサイトからもチェック可能。

2023年にも実証実験をはじめ、26年にも建造物を販売することを見込んでいるそうだ。

Top image: © 株式会社N-ARK
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