2045年、東京湾の真ん中に世界一高い「高層タワー」が建つ?
わずか30年後の未来、東京と千葉を結ぶ海上に地上1,700mの超高層ビル建設計画!?にわかに信じがたい話ですが、英紙「Daily Mail」が「ドバイのブルジュ・ハリファが日本に抜かれようとしている」と大きく報じた、日本人でさえ知らない大胆な計画がありました。
スカイツリー約2.7本分!?
地上1,700メートル
「スカイマイルタワー」
現在、世界一の高さを誇るビルといえば、ご存知ドバイに建つ828mの「ブルジュ・ハリファ」。その約2倍の1,700mの超高層ビルを東京湾の一部を埋め立てて建設しようというのだから、この建設計画がどれだけ飛躍しているかが分かりますよね。
記事によれば、すでにこのビルには「スカイマイルタワー」と仮称がつき、近未来のメガ都市構想「ネクスト東京」のランドマークとして機能する予定だとか。いったい、これどこまで現実的な話なのでしょう?
じつはこれ、都市部に集中する人口増加に対して、飽和状態となった東京の土地問題を解決すべく建築家、デビッド・マロー氏が考案した未来都市計画の一部だったのです。
ビル内部に
垂直型の「都市」を実装
アメリカの大手建設設計事務所コーン・ペダーセン・フォッスク(KPF)のマロー氏は、六本木ヒルズ森タワーや上海環球金融中心といった高層ビル建築のプロジェクトに関わってきた人物。
彼は、このハイパービルディング(高さ1,000m以上の建築物)構想にあたり、ビルの内部に都市機能を持たせようとしているのだそう。
KPFの資料によれば、建物の構造は骨組みをなす支柱に台形状の空間スペースを六角形に組み合わせていく形態。またそれぞれの台形構造は中をらせん状にすることで空気の導線を確保。これにより、強風にも耐えられる仕組みだとか。さらには、海面上昇、地震、台風などによる気候変動に十分耐えうる設計だと強調しています。
さらに、建物内部には住宅、オフィス、ショッピングセンター、レストラン、ホテルなど、本来は都市の平面に展開するこうした商業施設を地上から上空1,600mまで、すべての階で垂直方向に展開する予定だそう。タワー内では、縦方向だけでなく横にも移動するエレベーターが設置されるほか、マロー氏の計算では上空1,000m以上でも、壁の配置によって強風を避けることが可能で、空中庭園や中庭の設置も検討中。
人口集中の都市部周辺地域は「自然」に戻す
さて、このスカイマイルタワーを含む「ネクスト東京」プロジェクト。現時点では、あくまで研究開発を目的とした仮想的提案でしかありません。つまり、実現するかは今のところ未定。とはいいつつも、こうしたハイパービルディング構想は1990年代から、日本でも頻繁に議論されてきた話です。都市を垂直方向に高層化することで、人々の生活の場を集約させ、それ以外の場所は自然へと戻していくという、自然との共存・共栄を目指した考え方でした。
都市と都市の部はすべて田畑や手つかずの林になる。もしかしたら、そんな未来もあるかも?