日々の生活に刺激がないと思うあなたが、見直すべき「名作映画10選」
「Collective-Evolution」に人生観を変える名作映画10選が掲載されているのでご紹介。これは、ライター兼ブロガーとして活躍中のJeff Roberts氏がまとめたもの。
彼のセレクトに否定的な意見を持つ人もいるかもしれません。でも、何度鑑賞しても、その度に新しい発見があるのが、名作の素晴らしさ。もしかすると、彼の主張がキッカケであなたの生き方が一変するかも!?
映画は様々な影響を与えてくれる。楽しい映画もあれば、怖いものや悲しいものもある。でも、すべての映画にはテーマがある。一度観れば、自分の生き方や人生観が変わってしまうような作品も。これから影響力のある名作映画10選を紹介する。
現代でも議論が尽きない!
観るものを混乱へと誘う
『ドニー・ダーコ』(2001年)
監督はリチャード・ケリー。ジェイク・ジレンホール演じるトラブルメーカーで夢遊病の10代の少年、ドニー・ダーコが主人公。彼は、危険で破壊的なイタズラをするようにそそのかすフランクというウサギに立ち向かう。
孤独、疎外感、そして人との関わりに対する普遍的な欲求、80年代の懐かしさに包まれながら、見る者の混乱を引き起こすSF映画。これは決して見逃せない作品だ。
映画の魅力は、複数の現実と世界が混じり合うこと。この作品は、内面の世界、ブラックホール、そして交互に交わる時間軸があり、鑑賞した直後は頭が混乱する。ケリー監督は、「映画には複数の解釈がある。それが現代でもドニー・ダーコに対する分析や討論が引き起こされる理由だ」と述べている。
観たことない人はいない!?
アクションと哲学の融合
『マトリックス』(1999年)
刺激的なアクションと精神を混乱させるような哲学がスマートに組み合わされた『マトリックス』は、私たちの「現実」に対する認識に疑問を投げかける映画。
作品の前提は、昼は会社員で夜はコンピュータハッカーとして働く主人公ネオ(キアヌ・リーブス)が、「現実は壮大な幻想であること」を発見することにある。この考えは、「現実とは私たちが知っているように作られ、構築された偽物であり、人類は気づかぬうちにそこに閉じ込められている」というもの。
コンセプトは、私たちの魂を目覚めさせるためのたとえ話。ネオは、自分がマトリックスというシステムの奴隷にされていたことに気づく。彼は、このシステムの創造主になることには無限の可能性があると教えられ、人間を奴隷にしている闇の勢力に対抗するために立ち上がる。
すべてが素晴らしいが、この作品は私たちが生きている世界を異なる考え方で理解することの大切さを教えてくれる。
不確かな現実と夢の境界線
“哲学的な問い”に注目
『ウェイキング・ライフ』(2001年)
不条理、茫然、印象的な脚本…、『ウェイキング・ライフ』には人生を変えるような多くの質問が登場する。例えば、「夢は何?」「現実とは何?」といったもの。このアニメーション映画では、現実と夢の境界線がはっきりせず、主人公はあてもなく様々な舞台をさまよい、現れる登場人物たちと関わり合う。
彼らは、主人公に科学的で哲学的な問いを投げかけてくる。夢はどんどん広がり、主人公はもう目が覚めないのではないかと心配し始める。
アニメ化された登場人物は非常にリアルで、実際の人だと認識することもできる。エフェクトが彼らの形や動き、次元を大きく曲げて誇張し、独特のスタイルを生み出している。高い評価を得ている映画だ。
“輪廻転生”をテーマとした
映画界への野心的な挑戦!
『クラウドアトラス』(2012年)
数百年にも及ぶ時間の中で、6つのストーリーラインによって構成された壮大な物語。人の行動が、どのように現在、過去、そして未来に影響を及ぼすかということがテーマとなっている。ある一つの魂が殺人者から英雄へ、ささいな親切が波のように世紀を超えて、大きな革命に影響を及ぼす。
この作品では、私たちの魂は永遠に生き続けるという「輪廻転生」がテーマとなっている。地球上で、私たちの魂が形を変え、様々な経験をする。生きている時の行動が、次に生まれ変わる時へ影響を及ぼすという輪廻転生の考えを深く掘り下げている。
批判的な意見もあるが、複雑なテーマと壮大で野心のあるストーリーに挑戦したことは、この作品の素晴らしい点と言える。
美しい景色とともに語りかける
“知恵”の奥深さ
『春夏秋冬そして春』(2003年)
純朴な森の中の湖に佇む修道院。そこで暮らす仏教の僧侶を追った韓国映画だ。ストーリーは、僧侶が季節を通して、子どもから大人になっていく様を描いたもの。
季節の移り変わりは、僧侶が経験し学んだことを喩える美しい比喩として使用されている。映画自体は静かだが、息をのむような美しい景色が私たちに語りかけてくる。登場人物の数は少なく、撮影範囲も狭い。それにもかかわらず、人間の経験する驚くほど広い経験を含んでいる。例えば、欲望、愛、嫉妬、殺人、自殺、償いなどがそう。映画の重要なファクターは、知恵を教えることがどれほど難しいかということ。
一つの失敗から知恵を求めて学び、より良い人間になっていくことが映画のテーマとなっている。
生まれてから死ぬまでの
壮大な旅
『SAMSARA』(2012年)
SAMSARAとは、サンスクリット語で輪廻、つまり流れ続けていくことを意味する。生と死、そして崩壊と再生の断続的なサイクル。
自然界の映像の連続的な流れと人間の支配、その移り変わりという壮大なコンセプトに基づいて作られており、鑑賞者は様々な映像を連続して見ることになる。それにより、日常生活の中では見ることができないような、世界中の素晴らしい光景を鑑賞することができるのだ。
生と死を通す旅は、あなたの人生経験に新たな視点を与えるはず。
冷たく描かれた
登場人物たちの人間模様
『デタッチメント 優しい無関心』(2011年)
代理教師であるエイドリアン・ブロディ演じるヘンリー・バルトの目を通して、高校教師や生徒の1ヶ月の生活を描いた物語。代理教師として生徒に指導するという彼の当初の目的は、3人の女性によって妨害されてしまう。繊細で傷つきやすい売春婦のエリカ、トラブルメーカーの10代の少女メレディス、そして同僚教師だ。
この3人の女性たちは、バルトに彼の性格における新たな側面を強制的に発見させ、母親の悲劇的な自殺と祖父の差し迫った死の両方と向き合わせた。
彼は、生徒たちに集中し思いやりのある人間になるよう指導するが、一人でできることには限りがある。この作品は主人公の男性、教育と社会システムの失敗について描かれている。
設定はSFでも、
基本的には恋愛映画
『her/世界でひとつの彼女』(2013年)
世界初の人工知能型OSの存在を知った、孤独で内向的な中年男性セオドア(ホアキン・フェニックス)についての物語。セオドアが、人工知能型OSのサマンサに出会い、その魅力的な声に心を惹かれ恋に落ちる。サマンサと親しくなるにつれて、彼は彼女が一体どこから来たのかを知りたい欲望に駆られる。
この作品では、現代の科学で起こり得るさまざまな問題がテーマとなっている。スマホやコンピューターへの依存が、「人とのつながり」という人間にとって必要不可欠なことを失わせ、科学技術が恐ろしいほど孤独を助長する。そうした私たちが考えるべき問題を提示している作品。
ブラッド・ピットの最高傑作!?
自分の殻を破りたいときに!
『ファイト・クラブ』(1999年)
鑑賞者に多くのことを教えてくれる作品だ。この作品から学ぶべき大きな教訓は、消費と物質主義による空虚。「私たちは本当に自分自身が信じる私たちなのか?」というアイデンティティーについての疑問にも言及されている。
映画の中では壮大な革命が起こる。しかし、それは主人公に「人間性」についてを教えるための単なる皮肉だった。鑑賞者はそれに気づいた時に、大きなショックを受ける。
描かれたのは、ひたむきな愛
『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997年)
この作品は、困難な状況の中における、「楽観主義と認識力」がテーマとなっている。話はいたってシンプルだ。ある父親は、第二次世界大戦の恐怖から息子と家族を避難させようとする。その中で、子どもの純粋な無邪気さが、人生に起こる様々な問題から私たちを守ってくれることを教えてくれることに。シンプルなコンセプトでありながら、美しく構成された映画。
Licensed material used with permission by Jeff Roberts , via Collective-Evolution