名言のように心に響く、あのセリフ。「みんなの映画100選」。
映画が世に誕生して100年以上。無声だった映画に音声が加わってからというもの、どんな作品にも忘れがたいシーンとセリフが登場してきました。
『みんなの映画100選「あのシーン」「あのセリフ」』(株式会社オークラ出版)は、そんなシーンとセリフにまつわる本。もしかしたら、絵本という表現の方が正しいのかも。
人物の特徴を絶妙に捉えた線画は、イラストレーター長場 雄によるもの。そこに映画ライターの鍵和田啓介が添えるセリフ、さらに解説。抜群の相性をみせるシーンとセリフ。聞けばこれ、2人が好き勝手に抜き出したものだとか。「そうそう」も「ツッコミ」もオールOK!ゆえに「みんなの映画」ということだそうですから。
あ〜、帰りにレンタルショップに寄るか、Netflixで検索しようかな。
01.
あなたはどこも劣ってない。非凡なだけだよ。
──『シザーハンズ』
02.
キャリアは20世紀の遺物だ。
──『イントゥ・ザ・ワイルド』
03.
彼らは個人の自由についてならいくらでも話すだろう。だけど、実際に自由な個人を見るのは怖いのさ。
──『イージー・ライダー』
04.
アインシュタインは2度も落第した。ベートーヴェンは耳が聞こえなかったし、ヘレン・ケラーは目が見えなかった。チャンスはあるはず。
──『ロッキー』
05.
何事も成せば成る。
──『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」ということわざがある。行動さえ起こせば成果は得られるという意味だ。
何かしらの行動を起こさなければ、何の成果も得られないというのは本当だろう。しかし、何かしらの行動を起こしたところで、何の成果も得られないことがある。というか、世の中にはそんなことの方が多い。ここから道は二つに別れる。それならば動かないという道と、それでも動くという道に。
発明家であるドクはこの言葉を口癖にして後者を選んだ。そして、タイムマシンを見事に完成させた。加えて、この口癖は彼を慕う青年マーティが自身の未来を変えるべく行動するためのきっかけにもなった。動かないことを選ぶのもそれはそれで有意義だろう。しかし、よりダイナミックな人生を歩みたいなら動くべきなのだ。
06.
あまり思い詰めずに気軽にやる。色んな奴を見てきたがそれが一番だ。
──『タクシードライバー』
07.
本当の負け犬とは、勝てないことを恐れて挑戦もしない奴のことだ。
──『リトル・ミス・サンシャイン』
08.
私は外見の美しさに興味はないの。長続きしないから。……重要なのはその人が何をしたいか。
──『ギルバート・グレイプ』
09.
男には戦うべきときと、受け入れるべきときがある。戦い続けるのは愚か者だが、私は愚か者だった。
──『ビッグ・フィッシュ』
エドワードはたまたまサーカスの会場で目撃した見知らぬ女に瞳を奪われる。一目惚れというやつだ。彼女こそ「運命の人」だと直感したエドワードが、サーカスの団長に件の女のことを尋ねると、悪どい団長は「彼女についての情報を月に1つ教える代わりに無償で働け」という途轍もなくブラックな条件をつきつけてくるではないか。しかし、猪突猛進型のエドワードはこの条件をポジティブに飲み込み、数年掛かりで件の女の住所を手に入れる。一目散に彼女の家に赴き、満を辞してプロポーズしたエドワードだったが、何と彼女には既にフィアンセがいるという。これにめげるはずもない彼が心の中で呟いたのがこの言葉だ。人には物わかりの悪い愚か者に進んでならなければならないときがある。エドワードにとってはこの瞬間がまさにそのときだったのだろう。
10.
人間関係っていうのはサメと同じで、常に前進していないと死んでしまうのさ。
──『アニー・ホール』