誰もが知る映画『E.T.』のあの場面、じつは……

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

E.T.の日

1982年12月4日、スティーヴン・スピルバーグ監督のSF映画『E.T.』が日本で公開されました。

地球に取り残された地球外生命体(E.T.)と少年の間に友情が生まれるというストーリーは、スピルバーグ自身が両親の離婚後につくった空想上の友人がアイデアのベースだと言われています。

ちなみにこの映画、約1000万ドルという予算で製作されたそうですが、興行収入はその300倍の3億ドル。あの『スター・ウォーズ』(1977年公開)を抜き去り、当時の映画史上最大の興行収入を記録しました。

その人気は日本でも凄まじく、1997年の宮崎駿監督作品『もののけ姫』に抜かれるまで、日本最高配給収入を獲得していた超人気作でもあるんですよね。ということで、日本公開を記念して、今日12月4日を「E.T.の日」と定めたというわけ。

ところで、『E.T.』の名場面といったら、ハリウッドの夜、主人公エリオットが乗る自転車が満月を背景に空を飛ぶシーン。

あの自転車、日本メーカーのものだって知ってました?(詳しくはコチラの記事で)

© Movieclips / YouTube

さらにもうひとつ、象徴的なのが指と指を合わせるあのポーズ。当時よく「E〜T〜」なんて声マネしながら指タッチをした人も多いことでしょう(Z世代はパパママに聞いみて)。

システィーナ礼拝堂の天井画、ミケランジェロの『アダムの創造』を彷彿とさせる、あの象徴的な指タッチ。でもね、じつは映画本編には登場しないんです。

エリオットが指をケガした際、E.T.が指を近くに差し出してケガを治癒するという場面はある。ですが、「指と指を合わせる」あれは映画ポスターでのみ登場するもの。

なのに、映画の象徴的なイメージとして私たちの記憶に残っているのは、『E.T.』という映画が従来の宇宙人=侵略者という立ち位置ではなく、地球外生命体との間にも友情が育まれるというストーリーを表現するのにもっとも効果的な1シーンだったのではないでしょうか。

Top image: © Sunset Boulevard/Corbis via Getty Images
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