興行収入の低下に悩むハリウッド。今求められているのは「多様な映画」だ!

パンデミックやストライキを乗り越えてもなお興行収入に伸び悩む映画業界に、新たな施策が。

「Variety」誌が報じたところによると、「全米劇場所有者協会(NATO)」の新会長兼CEOに就任したMichael O'Leary氏は、大ヒット作品に依存しすぎないようスタジオに警告し、「多様な映画」の重要性を強調しているらしい。

とはいえ、彼は生粋のハリウッド映画愛好家。巨額の予算を投じた映画の素晴らしさも理解しつつ、興行収入維持のためには「映画ファンの興味を引く、多様な映画が重要である」と述べているそうだ。

O'Leary氏の言葉を解釈すれば、今後は中小規模の予算であれ、強力かつ活気に満ちた映画市場を創造していく必要がある、ということのよう。

インディー映画にも、光を!

その成功例として挙げられたのは、昨年公開されたコード・ジェファーソン監督のオスカー受賞作風刺文学『アメリカン・フィクション』や、恋愛ドラマ『パスト ライヴス』。また、ハリウッド映画にしては低予算と評じられた日本のアクションSF『ゴジラ-1.0』も成功例として挙げられていたとか。

対して、同じく2023年に公開されフィナーレを迎えた金字塔『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、3億ドルのコストにもかかわらず物足りない結果に。他にも『リトル・マーメイド』『ザ・フラッシュ』など人気キャラをモチーフにした作品でさえ、赤字の危機に陥ったという。

映像業界向けメディア「Branc」がその要因の一つとして挙げていたのは、若年層への訴求力だ。

何十年もの歴史をもつシリーズ作品は、ただでさえ“映画離れ”が進んでいる若者にとって手を出しずらいものになっており、観客出口調査においても内容が刺さらなかったと感じる若者が多かったようだ。

過去作を振り返り新作の鑑賞に挑む良さもたしかにあるが、現代に生きるボクら若者にとって「失敗しない映画選び」は何よりも大切なこと。では?

ハリウッド俳優を前面に押し出す作品よりも、時代の流れやトレンドをうまく掴んだインディー映画が、かつての映画ファンのみならず映画離れに陥った若者を取り戻す、唯一の切り札になるかもしれない……。

Top image: © iStock.com/Edwin Tan
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