ディズニーがついに王座交代か。興行収入でトップに輝いた映画スタジオは……?

『Variety』誌によると、2023年に最も高い興行収入をあげた映画スタジオは「ユニバーサル・ピクチャーズ」だった。

それもそのはず、昨年のユニバーサルは社会現象を引き起こした『オッペンハイマー』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に加え、『M3GAN/ミーガン』など計20本以上の作品を配給、チケット売り上げの総額は49億700万ドル(約7,057億円)に達し、前年比を20%近く上回る好成績を記録しているのだ。

特に、昨年の映画業界を大きく賑わせた『オッペンハイマー』と『バービー』は、劇場公開中に全世界興行収入が10億ドルを超える大ヒットとなり、若者の映画離れや脚本組合のストライキによる、業界全体の興収低下を支える立役者になった。

一方、対照的な結果となったのが「ディズニー」だ。

近年の映画界にとって覇権とも言える興行成績を誇る企業だが、2023年は10億ドルを超える映画がゼロ、不作の年であった。

シリーズ最終作となる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』は8億4500万ドルの興行収入を出したものの、リメイク版『リトル・マーメイド』や『ホーンテッドマンション』などが振るわず、総計興行収入は48億2700万ドルだったとのこと。

ディズニー社CEOのボブ・アイガー氏は、近年の同社作品やキャラクターが「メッセージ性に偏り過ぎていた」ことを認める発言をしており、改めてエンターテインメントの基本へ戻るよう舵取りをしていることを説明。

いわゆるポリコレ傾倒や観客のヒーロー映画疲れ、動画配信サービス「ディズニー+」契約者数の減少など、諸々の複雑な問題は残っている。

しかし、アイガー氏は「一番は楽しませることであり、メッセージ性ではない。それが私の目的であることを従業員には伝えているし、その逆を容認したくはない」と方向性を明確に示している。

2024年、ディズニーは劇場未公開の3作品や『インサイド・ヘッド2』『星つなぎのエリオ』などを公開予定だ。

舵を取り直した彼らが向かう先とは……?今後のディズニーの動向には、より一層注目したい。

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