お金のために働かせない。社員をハッピーにする会社「8つのポイント」
会社に縛られながら、苦しんで仕事をする。そんな時代はもう過去のことです。時代の変化とともに、先進的な取り組みをする企業も増えてきました。
自分らしくハッピーに働くには、どんな会社を選んだらよいのでしょうか。自著『あたらしい働き方』から、社員をハッピーにする力を持つ会社の見分け方をご紹介します。
01.
なにはなくとも利益率
粗利の高いビジネスをしている
あたらしい働き方は、基本的に事前に投資をし、後から回収するスタイルです。利益の余裕があって初めて、いろいろな取り組みを進めることができます。すなわち、あたらしい働き方ができる企業の条件として、粗利が高いビジネスをしていることは絶対条件です。
自分の業務外のことを2割はやっていい、というグーグルの20%ルールは有名ですが、これも余裕があるからできること。余裕があれば、この20%の投資が次のビジネスを生み出し、好循環を生む。高い利益率がこうしたスパイラルを可能にするということです。
02.
ただの自由は崩壊を招く
自由を成果につなげる仕組みがある
社員を単に自由にすることが、必ずしもいいわけではありません。個々の社員の能力をマネタイズする仕組みをビジネスとして持っているからこそ、社員の自由が生かされるのです。
単に、社員にも目標はない、会社にもない、しかも仕組みもない、ということになれば、それは崩壊して終わってしまいます。
表面的に見える自由だけを真似することは、極めて危険です。自由から成果・利益につなげる仕組みづくりや体制が重要なのです。
03.
サポート制度で
無駄・非効率を排除
先進企業すべてが労働時間を短くしているかといえば、そうではありません。ただ、無駄に長いところもないのが事実。フレキシブルな働き方が取り入れられているからです。
社員が本気で仕事に集中できるよう、経営者は徹底的に無駄を排除する必要があります。無駄なミーティングを減らす、メールを効率的にする、ランチや通勤のサポート。ハード・ソフト両面で、多くの会社が、社員が働きやすい環境を整えようとしています。
04.
ブランドにこだわらない
実用的なオフィス環境
かつてゴージャスなオフィスが話題になった時代もありましたが、今必要なのは、アイディアが浮かびやすく、コラボレーションがしやすい環境。偶然が生まれる、オープンな場所づくりです。オフィスの場所も、一等地になくたっていい。少し外れたところにオフィスを置くことで、会社としてもコストを小さくすることができ、近所に住むことになる社員も生活コストを下げられる。
ブランドにとらわれず、実質的で意味のあるオフィス環境を追求するのが、あたらしい働き方のスタイルといえるでしょう。
05.
時代のキーワードは
「自由、成長、チャレンジ、選択」
管理された環境からは、クリエイティブな発想は生まれません。そして管理から解放され、ハッピーで心理的満足度が高い状態では、お互いがお互いに貢献しようという意識が生まれるため、いいスパイラルが生まれます。
今までの会社を象徴するキーワードは「保証、条件、権利、管理」。いま、ここからの転換が求められています。
「自由、成長、チャレンジ、選択」を提供できる会社。クリエイティビティのあるあたらしい働き方ができる人は、ここに集まってくるのです。
06.
クリエイティブな人事制度
人事部門がクリエイティブであることは、極めて重要です。面白法人カヤックではもともとクリエイターが人事部のスタッフになっていましたし、Plan・Do・Seeでも、現場スタッフが人事として送り込まれていました。
制度づくりにおいて、面白いもの、ユニークなものを意識して作っていくことは大切です。面白いものにこだわる理由は2つ。ひとつは、社員が積極的に活用してくれるから。もうひとつは、ユニークさをメディアに取り上げられたりすることで、PRにも活用できるからです。それによって、優秀な人材への認知を広げることもでき、採用にもつながっていくのです。
07.
ルールを減らすかわりに
カルチャーを作る
明文化されたルールがあると、それに従わざるを得ないという空気を生み、自らの選択で物事を進めることができなくなります。逆にルールを減らせば、自分で考えなければなりません。自分で考えて動く社員が増えていく、ということです。
また、ルールを減らしていって、その代わりにカルチャーを作っていく意識を持つ。カルチャーこそ、会社の方向性や流れを作っていきます。自分たちのカルチャーを伸ばしていけるような人材を集めていく。採用というよりは、仲間を増やしていく発想に近いですね。
こうしたカルチャーがあるからこそ仕事のしやすい仲間たちが集まり、上司の命令ではなく仲間との刺激でモチベーションが高められていくのです。
08.
お金のためでなく
社会のために働ける
1990年代は、お金を目的に起業する若者が多かった。しかし、今は違います。どうやって世の中を変えるか、世の中にインパクトを与えられるか、という目的の若者が多いのです。
これは起業に限ったことではありません。社会的意義があると思って働ける環境を作ることは、優秀な社員を採用するという点でも大きな意味を持ってきています。
例えば、上場するだけでなく、上場して世の中を変える。そのくらいのスケールのビジョンを経営者が描いているかどうか。経営側にも大変な努力が必要になることですが、そういうものができてはじめて優秀な人材が集まり、強い組織を作り上げられる。あたらしい働き方を提案して、社員を生き生きと働かせることができるのです。
『あたらしい働き方』
コンテンツ提供元:本田直之