土星にある「六角形の渦」。その謎がついに解明!
輪っかがあることで有名な土星ですが、実はもう一つ有名な特徴として知られているものがあります。それは、てっぺんにある六角形の不思議な渦。約30年前に見つかってからずっと謎のままだったそう。
Space.comによれば、この雲の動きが最初に発見されたのは1988年のこと。1980年と1981年にNASAの探査衛星ボイジャーが土星へと接近飛行した時のデータを分析したことでその存在が確認されました。その後カッシーニが接近飛行するまで実在するかどうかもわかっていなかったそうです。
30年間、謎のままだった
土星の「六角渦」の秘密
中心部に渦があるのが見て分かりますが、その全長は32,000kmほどあり、サーモグラフィでみた限りでは大気の深さもおよそ100km。
渦の回転スピードは土星の輪っかとほぼ同じで、最大風速約360kmで土星の外周へと流れていきます。
「Astrophysical Journal Letters」に掲載されたニューメキシコ工科大学のRaúl Morales-Juberías教授による研究論文によれば、土星の北半球の風の動きを高度ごとにシミュレーションすることで、雲の下に流れている風が六角形の渦とその回転スピードを生んでいることがわかりました。
彼らのコメントを以下に紹介します。
「これまでの研究による計算で、土星の六角渦について幾つかの事実がわかっていました。が、それは全てではありません。
最近のシミュレーションによって見えてきたのは、不安定で薄いジェット気流が土星北部の六角形の曲線を保っていること。
さらに、気流の下にある深部の風による影響がその形成に関係しており、特に鋭い曲線の割合の均衡を維持していることがわかりました」
不思議な形をしたこの渦は、ジェット気流の下にある風によって生まれているため、季節に左右されることもないそう。幾何学模様にうごめく渦の様子は、とても神秘的ですね。