知ってしまったら使いたくなる日本語 六

未知の言葉や表現に出会ったとき、まずは知らないことを恥じます。そして、その意味を知ると、「ちゃんと自分のものにして、いつかどこかで使ってやるぞ」って思うんです。

今回もとある女性からリクエストが。「実際に使ってはいるんだけど、正しい使い方なのかわかっていないんです」というこの言葉。たしかに、使い方を誤ってしまうと、大変なことになるかもしれません。

ということで、第六弾をお届けします。

カマトト【かまとと】

●意味
知っているのに知らないフリをすること。ウブなフリをすること。

●使い方
不倫のどこがいけないんだなんて、カマトトぶりやがって。この泥棒猫が!

使い方のようなシチュエーションがどれだけ発生するのか、という疑問はさておき。このカマトトという言葉は、あまりいい意味では使われません。どちらかと言えば、罵倒したり陰口で用いられることが多いでしょう。

しかし、そもそも“カマトト”ってどういう漢字?なんでこんな音に?という疑問がムクムクと湧き上がってきたので、調べてみました。

諸説あるようですが、この言葉は遊郭から生まれたもののよう。“カマトト”の“カマ”は「蒲鉾」のことで、“トト”は「魚」の幼児語だというのです。遊女たちが自分がウブだとか世間知らずであることを売りにする手段として、「蒲鉾はトトからできてるの?」とわざとらしく聞いたことが語源だそう。

この言葉は知っていたし、なんなら使ったこともありました。けれど、こうして改めて語源を調べたら、なんだかとても勉強になりました。人を貶めたりする表現ではなくて、戦略的に“カマトトぶる”のはアリかもしれない……なんて思ったものですから。


TABI LABOでは、カマトトぶることなく、ライフハックになる記事を提供中です!

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