言語の勉強は、冒険だよね!【ジョージのコラム】

 僕のことを少ししか知らなくても、1つのファクトは絶対知っていると思う。ジョージさんは、日本語で話すことが大好き。2つ目のファクトは、ジョージさんは、テクノパーティーも大好き。なんだけど、テクノは別の話なので、別の日にしましょう。

 日本語はね、気づいたら8年間ぐらい、吸収しながら楽しく話している。その間、ずっとこうやって日本語でおしゃべりしながら、マイスタイルで色んなものを書いている。すると、どんどん性格が日本語で伝わるようになってきたし、少しだけ深いことに、自分の言語じゃない言語でコミュニケーションすることで、自分自身の性格のいろんな面も成長してきたと思う。スピリットは同じなんだけど、違う言語だと、DJミキサーみたいにダイヤルを調整したり、自分の違う周波数が見つかる。とても不思議なこと、言語のパワーだ!

 言語を勉強することは、超楽しいと思っているんだけど、もちろん簡単ではない。しかも、終わりがない!(笑)言語の勉強に挑戦するのは、頂上がない山を登ることに近いものだとたまにイメージしている。こんな山登り大変なんだけど、冒険すればハマってしまうかもしれないし、山の尾根からはすごい景色が見える。雲間でも!それに、他の冒険家たちも横にいる!

 

 

 想像なんだけどね。もし各言語が山であれば、すごい山脈になる。その山脈のなか、それぞれの山の性格が別々で、激しい地形も、動植物も、山によって違う。

 “日本語山”で言うと、文法と敬語がやっぱり激しいところだわ。たとえばGo = 「行く」だったら、「お伺いします」とか「参ります」とかって、なんだよ!(笑)敬語の階層が多すぎなんだよなぁ。でも日本語山には、ここしか咲いてない素敵な植物いっぱいあるよ。個人的には、まずはこの3つ。

なんとね、日本語の語呂がいい!

 ネイティブが感じるかわからないんだけど、日本語で話すと、アコーディオンのようにイントネーションが上昇と下降するの。イタリア語の「マンマミーア!」とまた感じちょっと違うんだけど(笑)なんと音楽的なリズムがあって、日本語で話すだけで、ミュージカルのようで楽しい。僕が日本語で話す時、お母さんが言葉の意味全然わからへんやけど、「I can hear the music in your words, and hear your smile!(言葉の中から音楽と笑顔が聞こえるよ!)」といつも言っている。

 

なんでも、オノマトペで

 ワクワク・ネバネバ・カリカリ・ふわふわ・カリふわ……

 擬態語も擬音語もいっぱいで、オノマトペだけで話そうとしても、コミュニケーションできるぐらいあるよね(笑)しかも、繰り返し、子どもみたいな純粋な感じがして、かわいいね、この言語。ハマっちゃって、正直僕は<擬態語マスター7-8>と言う授業をとったことがある。毎週オノマトペを20個ぐらい勉強しないといけなくて、オノマトペで頭がごちゃごちゃになっちゃった。それでも、こつこつとだね。

 

日本語の字が好き

 日本語の勉強が始まると、「えええ文字がミニピクチャーやん!」となったよ。他の学生もそうだと思う。今でも、ネタ帳に書いてそれを鑑賞する。すべての文字が個性的だし、言葉をパズルのように組み合わせる。こっちに最初にきた時に筆ペンを見つけた。「やった!」と思って、漢字の復習がアートクラスみたいになったの。言語なんだけど、美術に被って、とても刺激的なものなんだよね。

 

 

 頂上がない山というものは、冒険者としてとても大変なもの。だけど、あのちょっとダサいんだけど正しい諺通りに、「It’s not the destination, it’s the journey」だよね。ジャーニー中に、その言語の激しいところを避けずに、ニコニコと好きなところをエンジョイするしかない!

 

ジョージ・ネルソン/俳句ジョージ
1994年、ニュージーランド・ネピア生まれ。ヴィクトリア大学ウェリントン経済学科卒業。2015年、初東京移住、日本語の詩とイラストを始める。2017年、初自費出版「ジョージの俳句集」TOKYO ART BOOK FAIRデビュー。2019年、ALBUS ギャラリー福岡にて初個展「ハッピーハカタ俳句ジョージ」。「ザーテクノキウイ・THE TECHNO KIWI」魂からの絵本ラウンチ。コロナ時期ニュージーで待ち、2022年大学院生として早稲田大学ビジネススクール入学、日本生活再始動。座右の銘は「とりあえずおどる」。

ニュージーランド人の俳句ジョージによるイラストと俳句を基にした、「TABI LABO」コラムシリーズ。

 

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『はじめまして!ジョージやで。』

『ジョージさん、日本のなにが好きなんだい?』

『「なっとう」ってなに?ジョージの朝食トラウマ』

『桜さん、今年もありがとう』

© All Images by Haiku joji
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。