「ジョージさん、日本のなにが好きなんだい?」
僕は去年の春に、3年ぶりにニュージーランドから日本に無事に飛びました。「ただいまー!」と大声で成田空港で言い出しちゃった(笑)
「どうしても日本に戻っちゃうだよねー」と、ゲートラウンジのうどんを啜りながら考えた。実は日本に住むのは3回目で、うどんを啜るの1万回目。と言うことはね、日本がめっちゃ好きなんじゃない?(笑)そうかもしれへん。
「ジョージさん日本って、何が好きかい?」と、よく聞かれるのね。どうでしょう!具体的なのもちろんたくさんある。アニメとかは僕的にちょっとだけちゃうけど、ここの料理、ここのデザイン、芸術、建築、美学は比類のないものと思う。かける季節の色、さいこうだよ。:‘)それに、どこ行っても、スマイリー柴犬の尻尾がプリプリプリとしている。
でもね、目で見えるもの以上あると思う。神秘的な、日本しかない的な、気持ちに入る的な、「マジックオブジャパン」と僕は言う。
例えばだけど、夜に銭湯へ行く……。
入る瞬間から落ち着くね。銭湯のおばあちゃんが心配なさそうにテレビを観ていて、「はーい」と500円玉を渡す。服を脱いで、一旦体重チェック。増えてもないんだけど、減ってもいないからいいや。蛇口のハンドルをひねると、お湯が一滴ずつ今日の疲れを洗ってくれる。お風呂に入ったりあがったり。ただ、電気風呂はイヤ(なんか怖いわあれ!笑)。その後、一時、富士山の麓に休む。
出る瞬間の、すっきりがすごい。空気が特にフレッシュで、夜の色が明るくなって、月が美しい。ゆったりと、ベッドに向かおう。
こういうのが、マジックオブジャパン。
例えばだけどね、お寺にも、神社にも行く……。
わざと行ったのかもしれないし、たまたま通ったのかもしれない。せっかくやから少し挨拶しよ。迫ると、自分が小さくなる。こんな建物って、いくつの季節を過ごしてきたかなぁ。もっとも晴れた日にも、もっとも嵐の日にも、ずっと建っていた。おじいちゃんと同じく、年寄りで知恵がいっぱい。
書道を見る。薫香をかぐ。風を聴く。静けさを感じる。気づいたら、気持ちに不思議なパワーが入ってきた。超神秘的なの。
こういうのも、マジックオブジャパンだ!
でね、たとえばだけど、仕事あがったら近所の大好きな飲食店に行く……。
狭くて、大事なものしかないところ。カウンター席に座ると、可愛い箸置きを貰い、暖かいおしぼりも(日本のさいこうに好きな発明だよ、身も心も本当気持ち良いの)。とりあえず一番喉越しが良い、生ビール。
みんなが別々の外から一緒の中に入ったって感じ。お隣の人と軽くおしゃべりして、マスターが作ってくれた揚げ出し豆腐がうめー!また注文しちゃう。こうして、気づいたら、予算以上のレモンサワーを美味しくいただいた。でもね、美味しかったし、今夜のメンバーと、今夜しかない思い出だよ。
こういうのもマジックオブジャパンだよ。
マジックモーメントがたくさんある人生、それが好きだわ!
1994年、ニュージーランド・ネピア生まれ。ヴィクトリア大学ウェリントン経済学科卒業。2015年、初東京移住、日本語の詩とイラストを始める。2017年、初自費出版「ジョージの俳句集」TOKYO ART BOOK FAIRデビュー。2019年、ALBUS ギャラリー福岡にて初個展「ハッピーハカタ俳句ジョージ」。「ザーテクノキウイ・THE TECHNO KIWI」魂からの絵本ラウンチ。コロナ時期ニュージーで待ち、2022年大学院生として早稲田大学ビジネススクール入学、日本生活再始動。座右の銘は「とりあえずおどる」。
ニュージーランド人の俳句ジョージによるイラストと俳句を基にした、「TABI LABO」コラムシリーズ。
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