桜さん、今年もありがとう

 桜さん、桜さん、どこから話はじめようかな。来てくれた時期が素晴らしかったよ。今年も本当にありがとうございました:‘)

 桜自体を初めて見たわけでもないんだけど、今年は初めてフル桜パワーをもらった気がする。最初のコラムでも言った「マジックオブジャパン」をかなり感じて、感動のあまり、その感覚をどうしても探りたくなった。

 気づいたら、今年は桜と一緒にたくさんの時間を過ごせた。まず、太陽がスマイルしている日に代々木公園でクラスメイトとお花見をした。軽く飲みながら、男性たちは女性たちが見えるところでフリスビーを投げ合い、女性たちがチラッと見たら、幸せにおしゃべりを続けた。

 仲良しとビールと夜のお花見もして、ピンクの花びらのもとこれからの人生のワクワクのことを話し合う。しかも、ちょうど桜の時期にお友だ達と和風ランチ会をしたら、桜餅の道明寺も出てきたんだよ。純粋、もちもちのもの、食べられてラッキデーだった。

 

 

 だけどね、お花見が楽しいだけでなくて、今年はそれ以上のことを感じた。桜が咲いてきたら、気持ちにもなにかが咲いてきた。

 長いあいだ頭下げてバタバタしていた僕の周囲に、なにかが変化している。花びらが一枚ずつ開花の公演を準備中。いい予感がして、しかもポカポカしてきた!道も、公園も、学校も、どこ見ても、どんどん桜色になってくる。もうね、いつも通りに頭下げてバタバタしてもいいんだけど……自然を見て!この世界、美しい。

 背景に寒そうに立っていた木たちは綺麗なドレスを着て、主人公になった。僕たちは、一時的に羽を伸ばして、お花の公演をエンジョイするしかない。今しかないから、みんな久しぶりに公園で集合。老夫婦と若者が桜の下で隣人になり、外で遊び、シンプルな幸せ。

 

 

 この間、先生から借りた『美学入門』と言う本にいい言葉を見つけた。ドイツの詩人のシルレルが、このようなことを言っている。「人間が、自然に、自分の自由なこころもちを感じる時、それを美と言うのである」と。はかり知れない自然の秩序見ると、自分たちの深い深い心の奥底になにかが動くんだって! 

 桜を見る時は、それぞれの心に色んなヒントがあると友だちから聞いた。桜を見ると、今まで見てきた桜を思い出し、自分の道、自分のルーツを考えさせられる。桜を見ると、フレッシュな時期の幕開けのサインになり、ワクワクと頑張りたくなる。桜を見ると、癒されて、こころが美しくなる。

 こうやって、毎年数週間だけ桜さんから、色んなギフトをもらっていると思う。やっぱり桜は、すごいものだ!

ジョージ・ネルソン/俳句ジョージ
1994年、ニュージーランド・ネピア生まれ。ヴィクトリア大学ウェリントン経済学科卒業。2015年、初東京移住、日本語の詩とイラストを始める。2017年、初自費出版「ジョージの俳句集」TOKYO ART BOOK FAIRデビュー。2019年、ALBUS ギャラリー福岡にて初個展「ハッピーハカタ俳句ジョージ」。「ザーテクノキウイ・THE TECHNO KIWI」魂からの絵本ラウンチ。コロナ時期ニュージーで待ち、2022年大学院生として早稲田大学ビジネススクール入学、日本生活再始動。座右の銘は「とりあえずおどる」。

ニュージーランド人の俳句ジョージによるイラストと俳句を基にした、「TABI LABO」コラムシリーズ。

 

俳句ジョージについて、もっと知りたい方はこちらから!

 

『はじめまして!ジョージやで。』

『ジョージさん、日本のなにが好きなんだい?』

『「なっとう」ってなに?ジョージの朝食トラウマ』

All Images: ©️Haiku joji
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。