知ってしまったら使いたくなる日本語 五

未知の言葉や表現に出会ったとき、まずは知らないことを恥じます。そして、その意味を知ると、「ちゃんと自分のものにして、いつかどこかで使ってやるぞ」って思うんです。

今回は「会議でこの言葉を聞いて、頭の中が『???』ってなりました!調べて!」というリクエストを頂戴したので、第五弾をお届けします。

慮る【おもんぱか-る】

●意味
周囲の状況などをよくよく考える。熟慮する。

●使い方
クライアントは問題を解決したいってことですよね。それを慮って、最善の策を講じましょう。

この言葉を調べてほしいとリクエストしてきた方は、「おもんぱかる」という音だけを聞いて「???」となってしまったわけです。一体どんな漢字?どういう意味?と、確かに疑問に感じます。

調べてみると、相手や自分を含めた周囲の状況を冷静に見極めるといった意味合いが強いようです。となると、ここ最近、急激に一般化した『忖度』という言葉とも近しいような……。

忖度【そんたく】

●意味
他人の気持ちや心を推し量ること。

●使い方
指示は受けていません。上司の考えを忖度しました。

どういう差があるのだろう?ということで、忖度も調べてみました。

かなり似ている部分はあるものの、差があるとすれば、思いをはせる対象ということでしょうか。『慮る』が環境や状況などの外的要因なのに対し、『忖度』は相手の考えという目に見えないもの。前者は客観、後者は主観とも言い換えられそうです。

となると、忖度は外れることもある……ということになりますよね。


TABI LABOでは、読者の皆様を忖度するのではなく、慮った記事を掲載中です。

引き続き、“知ってしまったら使いたくなる日本語”を募集中。コメントなどで是非とも教えてくださいね。

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