なぜ、友達が少ないほど「幸せ」になれるのか?
友だちの数は、多ければいいということでもなさそうだ。Quartzの記事によれば、人生の幸せと関係するのは15人の本当に仲がいい友だちだけだとか。
Facebookの友だち数や、Instagramのフォロワー数を気にしすぎているアナタは、要チェック。
Facebookの友だちが多い人は
孤独だと判明
世界中の誰とでも知り合えて、どんなに離れていても連絡をとれる。学生時代に仲のよかった友だちで、今は疎遠になっている人とも簡単に繋がれる。SNSが私たちの人間関係にもたらした貢献は計り知れない。
SNSの友だち数が、1,000人、10,000人と増えて嫌な人はいないはず。友だちの数は多い方が幸せだ。そう思っている人は、少なくないだろう。
しかし、MITの心理学者Sherry Turkle氏の意見は異なる。彼女は、友だちの数が増えれば増えるほど孤独になっていくと伝える。Facebookの使用頻度が多い人が、より孤独を感じているという統計まであるそうだ。
さらにほとんどの研究が示唆するのは、人と繋がれば繋がるほど幸せから遠ざかるということ。Facebookの投稿を多くして、たくさんの人と繋がろうとする人たちを調査したところ、落ち込みやすい特徴があったそうだ。
つまりFacebookで友だちが増えると、幸せにならないどころかむしろ不幸になる可能性もあるのだ。
仲のいい友だちは
年収+1,200万円の価値
大切なことを何人の人と話すのか?というアンケートが、1985年に実施された。その結果、一番多かった回答は3人。59%もの人がそう答えたのだ。
そして同様のアンケートを2004年に実施したところ、もっとも多かった答えはなんと0人。どんなことでも腹を割って話せる人は、いなくなってしまったのだ。
しかし、本当に仲のいい友だちが人生にもたらす影響は大きい。ある研究では、毎日会える友だちを持つことは年収が10万ドル(約1,200万円)増えるのと同じ効果があると結論づけた。
人生に必要なのは
“15人”の友だちだけ
霊長類の調査をするRobin Dunbar氏によれば、社会的に関係を持てる数は脳の大きさに基づくという。同氏の調査では、人間が管理できる数は150人までであるということが分かった。さらに、最大で5人までの親友を持つことができ、仲のいい友だちは15人までが限界だと、彼は示唆する。
Facebookで500人の人につながったところで、幸福は得られない。それよりも家族や仲のいい友だち15人と時間を過ごす方が、幸せや健康、強いては寿命にまで影響するのだ。
心理学者のEd Diener氏とMartin Seligman氏が、幸福な人たちを調査した結果、幸せな人に共通していたことは一つ。親しい人たちと過ごす時間を、多く取っていたことだったのだ。
八方美人に
なりすぎないこと
もちろん、SNS=悪であるというわけでも、人気者になろうとすることが悪いことだと言っているわけではない。たくさんの友だちを呼んでパーティーを開いたり、しばらく会っていない友だちと再会したりすることは楽しい。ただ、自分にとって一番大切なことを見極める必要があるということだ。
社会学者のWendi Gardner 氏とCindy Pickett氏は、多くの人と仲よくすることで、本当に仲のいい人との時間を犠牲にしないよう注意を促す。
八方美人になりすぎて、大切なものを失わないように意識することが大切だ。さて、あなたにとっての“15人”は誰だろうか?
Licensed material used with permission by Tony Crabbe / Courtesy of Quartz
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