MITを抜いて大学ランキング世界一に着いた中国。しかし、そこには・・・

2015年10月の初旬、「US News 」が発表した、大学ランキングが世界に衝撃を与えた。アメリカの名門校を抜いて、初めて工業研究分野で世界トップの座に、中国の大学が躍り出たからだ。
では、なぜ世界一のポジションに着くことができたのか?「QUARTZ」の記者Nikhil Sonnad氏が、持論を展開しつつ、その仕組みを記事にしている。見ようによっては、やや敗者の弁にも取れなくないが、ランキングがどのような評価基準で決定したかがよく分かる内容だ。

科学技術分野での
台頭目覚ましい中国

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長年、1位の座を死守してきた米マサチューセッツ工科大学(MIT)を抜き、中国で最も有名な研究機関が揃う名門清華大学(北京市)が、工業研究分野で世界トップの大学となった。両校とも、世界的にその名を知られる超名門校ではある。だが、いったいどのように清華大学はMITに追いつき、追い越すまでに至ったのだろうか?その答えは“質ではなく量”にあった。
ここでは、そんな彼らの研究論文に注目していきたい。

MITに追いつけ追い越せ
膨大な研究成果と論文発表

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まず、このランキングは工学や経済といった、特定の分野ごとに評価して順位を決定している。評価基準は、各大学の研究成果の発表に基づいているといっても過言ではない。大学がどれだけ調査研究にあたり、その成果を論文として発表し、多くの出版物として世に送り出しているかがポイントとなる。もちろん、国際協力への貢献度も評価対象だ。だが、優秀な博士の数や、どれだけ博士号を排出しているかといった指標が対象外となる点は、このランキングの特徴でもある。

ここ数年、中国の大学は確実に工学分野のランキングを駆け上ってきた。「いつか清華大学は、MITに並ぶ日がくる」と、注目されてきたが、今回のランキングでMITを抜いたばかりか、トップ10には他にも2校(浙江大学、ハルビン工業大学)が名を連ねている。確かにこれらの学校が「どのくらい」評価されたかは、ランキングからもよく分かるのだが、では「どういいのか」という説明は不十分に感じる。

しかし、論文の発表内容に
疑問の声も…

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実のところ、工業研究分野において清華大学は、研究論文を他のどの大学よりも多く発表し、その名を強く世界へ印象付けることにも成功していた。
しかし、出版年ごとに論文引用を調査している研究団体によると、彼らの論文には引用が目立ち、本来は引用を全体の10%に控えるべきところも、評価点ではかなり低い結果となった。つまり、オリジナル性に欠ける論文も、中にはあるという指摘だ。もちろん、彼らが世界的に評価を得た研究論文を多々、発表していることも付け加えておく。

清華大学の国際的研究を、各分野の専門家が評価した場合、世界の大学のなかでその評価は16番目。必ずしも傑出したものではなかった。これに対し、MITはUCバークレー校、スタンフォード大学、カリフォルニア工科大学と続くそのカテゴリにおいて首位をキープしている。

MITの留学生37.4%
清華大学は2.5%
各国留学生の差は歴然

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実質的な量から言えば、今回のランク付けは正しいものだろう。しかし、その質の面まで注目して見ていけば、2位以下の他校が劣ることはない。と、言えるのではなかろうか。実際、海外からの留学生(全体の37.4%)を多く招いているMITと比較しても、清華大学への各国からの留学生は、わずかに2.5%という事実もある。

このランキングが、「意味のないもの」だと言いたいわけではない。あくまでもUS News独自の指標であることも理解しているし、彼らもスコアリングが大学の直接的な評価を示すものではないとする断りを補足している。将来有望なエンジニアたちは、MITと清華大学、慎重に比較して自分の進路を決断して欲しいと思う。


以上がSonnad氏の記事だ。世界一のカラクリが“質よりも量”にあるとする氏の指摘は実に興味深いものがある。また、30年以上に渡って米国の大学ランキングを発表してきたUS Newsだが、世界の大学を含めた新ランキングを導入したのは、まだ2年目といった経緯もある。
これらすべてを差し引いても、近年中国の教育システムの向上は目覚ましい。国際学力テスト(PISA)の成績だけ見ても、数学、読解力、科学において、トップを独占したのは上海市だ。近い将来、理系だけでなく、世界の最高峰に中国の大学が君臨する日も、そう遠くないのかもしれない。

Licensed material used with permission by Quartz

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