災害時に「地図」を使って活躍する、世界初のドローン部隊を誕生させよう!
噴火や土砂崩れ、洪水が起きたら、どのエリアが危険なのか?どこが安全なのか?「状況をきちんと把握できる正確なマップ」がなければ、救援活動を行うことができません。
ドローンを使って災害マップを作成する「DRONE BIRD」プロジェクトがいま、動き出そうとしています。
クライシスマッピング
第一人者が立ち上がった
同プロジェクトの発案者である古橋大地さんは、クライシスマッパーズ・ジャパン(NPO法人申請中)代表であり、国内の災害マップ作成の第一人者。プロジェクトについて説明する前に、まずはこれまでの活動を振り返っていきます。
災害発生後、インターネット上で
被災マップを作成
古橋さんはオンライン上で誰でも編集可能な「オープンストリートマップ」について、研究と開発を進めてきました。
災害時には、国連や赤十字などに有力な情報を提供。2010年1月のハイチ地震、2011年3月の東日本大震災、そして、2015年4月のネパール地震では、現地やネット上に集まった世界中のボランティアたちと一緒に、リアルタイムで状況がわかる被災マップを作成しました。
ハイチ地震前(図上)、後(図下)を表す地図。古橋さんが作成に携わった。
現地状況を最短2時間で空撮し
パソコンやスマートフォンに配信
「現地の航空写真を早く入手できれば、多くの命を救えたかもしれない。そのためには、ドローンによる迅速な空からの撮影部隊と、地図作成者が一体となった、新しいチームづくりが急務だと感じたのです」と、古橋さんは語ります。
ドローンによって、津波で浸水した町や土砂崩れが起きた場所など、人が入れないエリアの撮影が可能です。訓練された操縦者と準備さえあれば、即座に出動し、現地状況を最短2時間で空撮。その情報をパソコンやスマートフォンで公開できます。
ここ最近では飛行マナーが問題視され、負の側面にも注目が集まるドローン。しかしドローンは、“空の産業革命”と呼ばれ、多方面での活躍が期待される存在。いまこそ、人道支援の現場に必要とされています。
ドローンを使うメリットは危険エリアにも送り込めること。写真は飛行ルートの設定画面。
「DRONE BIRD」基地を
全国10ヵ所に設置
古橋さんが指揮をとる「DRONE BIRD」プロジェクトの目標は、日本全国のどこで災害が起きても対応できるよう、2020年までに隊員を100名育成し、全国10ヵ所に基地を設置すること。そして、災害発生後、空撮を開始してから2時間以内にマップを作るため、常時1000人の地図作成者が可動できる仕組みを整えていくそうです。
その第一歩として、2016年8月までに青山学院大学のある相模原に「DRONE BIRD」総指令本部を、その3ヵ月後、伊豆大島に「DRONE BIRD」基地を設置する予定。安全でGPSの精度が高い最先端のドローンを購入して、マップのクオリティを上げていくとのこと。
災害マップを作るための
3つの技術部隊を結成
「DRONE BIRD」基地には、以下3つの技術部隊がスタンバイ予定。
・ドローンを操縦する「DRONE BIRD パイロット」
万が一、人や建物に当たっても被害のない、小型軽量、最先端の無人飛行機を、現場に急行させる。
・ドローンを修理・制作する「DRONE BIRD 開発部隊」
3Dプリンタやレーザー加工機など最新のデジタルファブリケーション機器を使い、撮影中に壊れたパーツの修理や新たに設計されたドローンの制作を行う。
・迅速に地図を作る「DRONE BIRD マッピング専門部隊」
ドローンから送信された画像を元に、最新状況を地図に反映していく。この地図は、関係各所を含め世界中にネット配信され、パソコンやスマートフォンで見れるほか、紙地図として自由に印刷し、誰にでも配ることが可能。
実は、「DRONE BIRD」プロジェクトの設備・運営などに必要な資金が不足していて、現在、クラウドファンディングサイト「READYFOR」のコチラのページで「DRONE BIRD」計画の資金を募っています。日本、そして、世界の災害救援活動の底上げのため、このプロジェクトに興味を持った方は是非チェックしてみてください。
コンテンツ提供元:READYFOR