ハワイが教えてくれた、心に響く7つの言葉 「尽くすことで、尽くされる」

ハワイ語の特徴のひとつが、独特のやさしい語感と響き。それでいて、伝統と奥深さを秘めています。ここではハワイで古くから伝わる言葉のなかから、心を揺さぶる7つを紹介します。

Ulu ka hoi

〈ウル・カ・ホイ〉
さまざまなことに興味を持ちなさい
興味の気持ちを持ち続けなさい

直訳すると「ホイの実が育つ」。ホイというのは英語の「air potato」で、東南アジア原産の芋(ヤムイモ)の種類です。

成長した実にだけ興味を持つのではなく、「成長している過程にも興味を持ちなさい」という意味があります。つまり、完成品にだけ目を向けるのではなく、「それが完成する過程が重要」ということですね。また、「いろんなことに興味を持ちなさい」という意味も持ち合わせています。

幅広く興味を抱き、その興味の心を持続させること。親から子に、年長者から若者に贈りたい言葉ですね。

Ka lā i ka Mauliola

〈カ・ラー・イ・カ・マウリオラ〉
太陽は、生命の源である
自然が、すべてを治癒してくれる

「ハワイに行くと、それだけで癒される」という人が大勢います。北米大陸、ユーラシア大陸、世界中のあらゆる大陸から遠く離れ、隔絶されたような場所にある、太平洋のど真ん中に散らばっている島々、ハワイ。そこには独自の自然が豊かに実っていて、だからこそ、ここにやってきた人々は癒されるのだと思います。

ハワイの自然は、海も山も、濃く、強いのです。ハワイにいるだけで、あらゆることが治る、癒される。現実主義者の僕も、それは本当だと思います。

Ho’okāhi no Lā’au lapa'au,o ka mihi

〈ホオカーヒ・ノ・ラアウ・ラーアウ、オ・カ・ミヒ〉
許すことを学びなさい

英語の「forgiveness」には深くて大切な意味があります。相手を許すこと。寛容であること。簡単に見えて、なかなかできないことですよね。

誰かを許すことで、結局は自分自身を救うことにもなります。この気持ちを人類全員が持てば、戦争は起こらず、平和になるはずです。親から子に、先生から生徒に、大人から若者に、仲間や友人に、そしてお互いにこの言葉を贈り合えたら素敵です。

l kanaka no’oe ke mālama i ke kanaka

〈イ・カナカ・ノオエ・ケ・マーラマ・イ・ケ・カナカ〉
尽くすことで、尽くされる

このハワイ語を読んだときに頭に浮かんだのが、「contribution」
奉仕の精神は、奉仕によって還元されるということだと思います。「give and take」とは微妙に違うのですね。
contributionはあくまでgive=与えることが目的であり、相手から返してもらうことは計算していません。奉仕というのは、本来そういうことなのかなと思います。そこに「与える、返す」という相互の契約はありません。あくまで一方的に「尽くす」のです。contributionすると、いつか自然に返ってくる。いつしか今度は自分が尽くされることになるのです。ハワイには、とにかく「尽くす人」が大勢いて感動します。

'A'ohe pau ka 'ike l ka halāu ho'okāhi

〈ア・オヘ・パウ・カ・イケ・イ・カ・ハーラウ・ホオカーヒ〉いろんなことを、
いろんな場所で学びなさい

いまの時代には、ひとつのことを突きつめるより、広くいろんなことを学び、それらを自分なりにかけ合わせていくのが大切であると思います。同じことをずっと同じ場所でだけやり続けていると、思考が狭くなってしまうと思います。

ずっと同じ場所に住んでいる、ずっと同じ会社にいるということも、固まってしまうひとつの理由かもしれません。外に出ることによって、思考は柔軟になると思うし、いろんな生き方、ライフスタイル、考え方、仕事のあり方が見えてくると思います。
外に出ること、旅に出ることで、オプションを発見する可能性が増すと思うのです。

人生が学校だとするなら、その学校は世界中のいろんな場所にあると、より楽しいですよね。いろんな場所でいろんなことを学びましょう。

Mana i ka pua ua mohala mālie

〈マナ・イ・カ・プア・ウア・モハラ・マリエ〉
知恵や心は、ゆっくり育ち、花開く

いろんな知恵、精神、内面性、心はゆっくり熟成されていきます。年長者から若い人たちに、「決して焦らないで」というメッセージとしてこの言葉を贈ってもいいでしょうし、常に自分に向けてこんな言葉をかけてあげるのもいいのではないでしょうか。

I ka 'oleo no ke ola,ika 'olelo no ka make

〈イ・カ・オレオ・ノ・ケ・オラ、
イカ・オレロ・ノ・カ・マケ〉
言葉には力がある

もとのハワイ語は「人生は語られ、死もまた語られる」という意味なのですが、それがメッセージしている意味は「語られる言葉の力」。ハワイの先住民の文化は、「口承文化」です。文字を持たなかった彼らは、口から口へと語られる言葉によって文化、伝統、神話、習慣をいまに伝えてきました。

つまり、「語られる言葉=しゃべり言葉」は、ハワイの先住民にとって、とても大切なのです。「言葉には力がある」とあえて訳したのは、そんな理由からです。

大切な想いを言葉に乗せて、大昔から現代にまでつなげてくれるハワイ。ハワイ語には強い力があるのですね。

ハワイが教えてくれたこと
コンテンツ提供元:本田直之

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