売れない営業マンがやりがちな、NG行動5つ

「営業は大変なもの」「嫌なことを我慢するから成績が上がる」というのは本当でしょうか?答えはNOです。私は、ある日を境に、やりたくない営業や苦しいことを克服するのをやめました。そんな私の体験から導き出した、売れない営業マンがやりがちな間違った行動パターンを紹介します。

01.
無駄な気合いや根性は
迷惑でしかない!?

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なぜか営業の世界では、「根性論」が頻繁に問われます。なんだかんだ言って「営業=体育会系」のイメージは今も色濃く残っています。でもそれは、「声が大きい」「動きが目立つ」という見た目の要素が大きく影響しているだけのような気がするのです。

新人営業マンに多いのですが、「せっかくだからいろいろ知ってもらいたい!」というスタンスでお客様に説明。でも、無駄な気合いや根性は逆効果になります。お客様からすれば、「迷惑な気合いと根性」でしかありません。

営業の基本は、「こちらが言いたいことを言うのではなく相手が望んでいることを知り、そこに応えること」。お客様に猛アタックする前に、「自己満足になってない?」と、一度自分に問いかけてみるだけでもずいぶん結果が変わってきます。

02.
伝説のトップ営業マンの
成功話を鵜呑みにする

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私の知人が以前、短期間で爆発的な結果をだしたという、伝説のトップ営業マンに相談しにいったことがあったそうです。ところが、実際に会って話を聞いてみると「言っていることが異次元過ぎて、まったく参考になりませんでした」と笑うしかなかったといいます。その人物の興味を引く経歴や人間的魅力、トーク術に心をつかまれて気分が上がっていき「自分もそんなふうにやってみたい」と思うのですが、冷静に考えてみれば、それは「その人」だからやれることがほとんど。

実は、伝説のトップ営業マンの話に影響を受けて、真似をしないと売れる営業にはなれないと思い込んでしまって失敗している人、結構います。

それよりも、じわじわと営業成績が伸びてきた人こそ参考にしてみてください。そういった営業マンのほうが、無理のないやり方で本人もお客様にもメリットのあるノウハウを持っていたりするのです。

03.
一方的な営業トークで、
お客様を「置いてけぼり」に

Business meeting

私がダメ営業マンだった頃、こんなことをしていました。

・お客様が求めていない説明を延々とする
・都合が悪いことがあえて言わない
・追加オプションの値段をごまかす
・一気に値引きして強引に契約へ持っていく

正直、こんな「自分」からは買いたくはありません。お客様は営業されたがっているのではなく、自分の話や要望を聞いてもらいたいのです。それなのに、一方的に営業をしても絶対にいい結果にはなりません。

もし今、あなたが営業で行き詰まっているなら、営業方法を書き出し「自分が買う立場だったら、どう感じるだろう?」「今の自分から買いたい?」と自問してみてください。そこで「ちょっと何か嫌な感じがする」「一生懸命なのはわかるけど、お客様が置いてけぼりだよな」と感じたら、むしろやり方を変えるチャンスです。

04.
プライベートを犠牲にして、
人間的に面白みがない

Working late at night

毎日夜遅くまで仕事をしながら、結果を出している営業マン。こういったタイプほど、プライベートを犠牲にして、ひきつった笑顔で「仕事が趣味です」と言うのです。しかし、そういった人は決まって短命。体を壊す、精神的にやられる、離婚する…など。さまざまなことに足を引っ張られるのです。

その一方で、長く活躍して結果を出し続ける人もいます。何が違うのかなと観察してみると、「プライベートを犠牲にしていない」。彼らは趣味で自転車レースのチームに入っていたり、バンドのコンテストに出る目標を持っていたり、仕事以外のことも楽しんでいます。そういう人の話って、なんだか面白い。だからお客様のほうから「もっと聞きたい」「この人、いろいろ知ってそうだな」と、距離を縮めてもらえるのです。
「仕事が忙しくて趣味どころではない」という人も、仕事以外のことを始めてみてください。必ず、いいことが起こりますから。

05.
ライバルの成功を
妬んでいるだけで
スキルを盗もうとしない

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たとえば、あなたのライバルが急にたくさんの契約を獲得してランキング上位に顔を出したとします。正直、祝福の気持ちどころか、くやしさと羨ましさの嵐ですよね。「気にしたらダメだ」と思うほど、かえって気になってしまうもの。これは心理学で「カリギュラ効果」と呼ばれます。人は禁止されればされるほど、それを考えたりやってみたくなる心理のことです。

じゃあ、どうすれば気にしなくて済むのか。カリギュラ効果を逆に利用してしまうのです。徹底的に気にして、相手がどういうことをしているかきちんと観察してみましょう。

私の場合、「訪問前には必ず靴を磨いている」とか「会議では3色のペンを使い分けてメモを取っている」というような、些細な発見がありました。徐々に私自身もいい意味でお客様への気遣いができるようになり、いろんなことがうまく回るようになったわけです。

これからの営業に会話はいらない
コンテンツ提供元:ワニブックス

菊原智明/Tomoaki Kikuhara

営業サポート・コンサルティング㈱代表取締役。工学部機械科卒業後トヨタホームに入社し、営業の世界へ。7年もの間クビ寸前の苦しい時期を過ごしたが、営業訪問を「営業レター」に変えたことをきっかけに、4年連続トップの営業マンに。2006年に独立。現在、上場企業への研修、コンサルティング業務、経営者や営業マン向けのセミナーを行っている。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。