京都の飲み屋で「デヴィッド・ボウイ」に会った京大生の話
訃報が報じられてから、たくさんのエピソードがそこかしこで語られている。これはそのうちのひとつ。たまたま訪れていた京都の飲み屋で、そこにいた京大生と話をしたそうだ。彼の人柄が伺える内容に、多くの人々の注目されている。
2016年1月11日「@kutaja」さんのツイートを紹介する。
デヴィッド・ボウイとの会話
※以下、Twitterより。
彼はボウイに聞いた。なぜ京都にいるのですか?ボウイは答えた。私は少し悩んでいて、大好きな日本でユックリ考えようと思ったからです。何を悩んでいるのですか?ボウイは答えた。実はアメリカからオファーがあります。アメリカの音楽ビジネスはビッグです。飲み込まれてしまわないか不安です(続く
彼はボウイに言いました。確かにビッグかも知れませんが、あなたがそれを分かっていて、しっかりやっていけば大丈夫ではないですか?するとボウイは答えた。「いや、人間というものは、そんなに強くないのだよ」…彼はそれを聞いて、この人は伊達にアイドル的存在を10年もやってないなと思った(続く
そして、京大生の彼とそんな会話をしたデヴィッド・ボウイは、アメリカのオファーを受けて、のちに『レッツ・ダンス』をリリースするのです。私は、まだ一介の京大生と真摯な会話をするデヴィッド・ボウイを、本当にまじめな人だなと思いました。
『レッツ・ダンス』は、当時まだ無名だったブルースギタリスト「スティーヴィー・レイ・ヴォーン」を起用し、爆発的にヒットしたダンサブルなアルバムだ。彼は「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」に選ばれている。
これによって「デヴィッド・ボウイ」はメジャーなアーティストとして広く認知された。さらに、そのギタープレイが注目されたことでスティーヴィー・レイ・ヴォーンがブレイクするきっかけをもつくった。
アメリカで大ヒットする前にボウイが感じていた葛藤が見える話の内容は、とても感慨深い。