「生と死をまたぐ公園」バルセロナに出現

「骨壷」が木として蘇る——。

バルセロナ北東、世界最大規模の大都市公園のひとつ「コルセロラ自然公園」内に併設されている「ロケス・ブランクス・メトロポリタン墓地」にて、新たなプロジェクトが始動。

それは、生分解性100%の埋葬エリアをつくること。もちろん、環境保全を目的としたものだ。

 

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遺骨を生分解可能な専用の骨壷に入れて地中に埋めると、堆肥化されて新しい木が育つ手助けとなる。さらに、栄養を取り込む根の作用によって骨壷は分解され、最後は土に還る。

死んだ物質と生きている物質を組み合わせる「live mesh(ライブメッシュ)」と呼ばれるこの技術。米メディア「IN HABITAT」の表現を借りるならば、「生命システムそのものからインスパイアされた構成」ということらしい。

自然界のダイナミクスを活用し、死者を木々として蘇らせる。考え方によってはたしかにエコロジカルで、自然との“共存”を果たしているようにも思える。

現在、8600平方メートルある公園内には、松と樫の木が植えられており、さらに1500の“墓”を収容する予定があるという。

加速する高齢化や世帯数の減少にともない、いま日本では住宅問題と同じように墓問題がクローズアップされている。人口過密の都市部では、継承者や縁故者がいない「無縁墓」が増えているとも。

いつか、日本でも故人を偲びながら園内を散策したり、おだやかで美しい植物に囲まれながら手を合わせる。そんな日が訪れても不思議ではない。

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