筋トレをする人が10年後、20年後になっても 老けない理由(筋肉と若さの関係編)

常日頃から筋トレをしている人って、歳を重ねても若々しいイメージがありますよね。ここでは、久野譜也さんの著書『筋トレをする人が10年後、20年後になっても老けない46の理由』より、筋肉と若さの関係性についてご紹介します。

01.
「若々しい人」と
「老けていく人」との
二極化の時代へ

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昔に比べて、50代、60代に対するイメージが変わってきたように感じます。昔の50代の代表といえば、「サザエさん」に出てくる波平さんとフネさん。波平さんはあの独特の髪型だし、ふたりとも家では着物だし、タラちゃんという孫もいるし、すでに”おじいさん””おばあさん”のイメージが定着していますね。

では、現代の50代の代表は誰か。それが、郷ひろみさん(2016年2月時点では60歳)と松田聖子さん(53歳)なのです。おふたりともアイドル時代と変わらないような驚異的な若々しさを保っています。いまは「いつまでも若々しい人」と「どんどん老けていく人」との”二極化”が進んでいる気がします。その”格差”が開きつつあるのです。

02.
高倉健さんが晩年まで
若々しかった理由とは?

2014年秋、俳優の高倉健さんが亡くなられました。なぜ、晩年まであんなに若々しい姿でいられたのでしょうか。私は以前からあるポイントに注目してきました。それは健さんの「姿勢」です。

任侠映画に出ていた頃から晩年にいたるまで、健さんの姿勢はほとんど変わっていません。すくっと立って、ただそれだけで男の哀愁が漂う…それこそが健さんなのでしょう。筋肉量低下が進む50代、60代になると、否応なく姿勢が崩れてきます。また、70代、80代ともなれば、すっかり支える力が弱って、背や腰が丸まった”おじいさん、おばあさん体型”になってしまいます。

ところが、健さんはあの姿勢をキープし続けたのです。おそらく、その陰には相当な精神的努力があったのでしょう。「俳優は肉体労働」というのが信条だったそうで、「撮影現場では座らない」というのも有名な話。常日頃から筋トレやウォーキング、ストレッチなどの鍛錬を欠かさなかったといいます。

03.
「ウォーキングで大丈夫」
という考えは、とても残念

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いま流行りのウォーキング。もっとも手軽にできて、高い効果を上げられる健康法といっていいでしょう。ただし、多くの人が誤解している点をひとつ指摘しておきましょう。それは、「ウォーキングで足腰の筋肉も鍛えられる」ということ。
たくさん歩いたとしても、足腰を丈夫にすることはできません。筋トレをやらなければ、筋肉量低下は年とともに進んでしまうでしょう。

そもそも、筋肉には速筋と遅筋の2つのタイプがあります。速筋は瞬発的に大きな力を出す筋肉で、遅筋は持久力を発揮する筋肉。30代以降、毎年約1%の割合で減っていく筋肉量の大部分は、速筋なのです。実は、ウォーキングで使われるのは遅筋ばかりで、速筋は刺激されません。健康長寿を実現するには、ウォーキングなどの有酸素運動と筋トレなどの無酸素運動を並行するのがベストです。

04.
便利さに甘えて
「植物化」してゆく人間たち

ショッピングモールの駐車場で、手前の方に車を停める。駅のホームで階段を使わず、エスカレーターやエレベーターを使う。といった行動にあなたも心当たりはありませんか?人間だって「動物」の一種、「動く生き物」です。しかし近頃は、どんどん動かなくなってきています。植物のように動かずにいれば、当然筋肉は使われず減っていきます。便利な状況に甘えてろくに動かなくなってしまったらオワリ。若さをキープどころではありません。劣化が進行していくでしょう。

日頃の生活行動の中で「動くほうか/動かずに済むほうか」「不便なほうか/ラクなほうか」の二者択一の場合、あえて「動くほう」「不便なほう」を選ぶくらいの意識が必要だと思います。「植物系の発想」を捨て、「動くほうの発想」で行動するようにしましょう。

05.
10歳若返る人まで!
若さは「意志」で決まるもの

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私はかねてよりシニア向けの運動教室を主宰しています。メニューは筋トレが中心ですが、普段の生活でもバス停ひとつ分歩くようにしたり、体を動かすようにしてもらっています。すると、参加者の方々の体力年齢が軒並みぐんぐん若返っていくのです。

10歳や15歳はほぼ当たり前。また、外見的な若々しさや美しさという点でもみなさんアップグレードされています。それに、みなさん精神的にも若々しくなられます。きっと、運動には人の気持ちをポジティブにして、心を華やがせる働きがあるのでしょう。とにかく、意志を固めて運動を続けていけば、若返りはたいして難しいことではないのです。

筋トレをする人が10年後、20年後になっても
老けない46の理由
コンテンツ提供元:毎日新聞出版

久野譜也/Shinya Kuno

筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。スポーツ医学の分野において、サルコペニア肥満、中高年の筋力トレーニング、健康政策などを研究。2002年に「日本全国を元気にする」というミッションを掲げ、大学発ベンチャー「㈱つくばウエルネスリサーチ」を設立。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。