筋肉への「投資」は、自分から人生を変えるチャンスを秘めている!

自分の人生についてちゃんと考えている人は、未来の自分の健康のために、いま何を頑張ればいいかが分かっています。だからこそ、自分の筋肉に”投資”してなるべく若いうちから増やしておこうとするのです。人生の流れを変えるために、久野譜也さんの著書『筋トレをする人が10年後、20年後になっても老けない46の理由』から、「なぜ筋肉を鍛えることが大切なのか」についてご紹介します。

01.
長寿時代を健康に生きるための
理解力や知恵が大切

最近、80歳、90歳を超えたお年寄りの存在は、そんなにめずらしくなくなってきました。ただし、寿命が延びた分、長い期間を寝たきり状態で過ごす人が増えているのも事実です。現時点での平均の寝たきり年数は男性が7〜9年、女性が12〜16年。いまや時代は、着々と「長生きを喜べない時代」に向かいつつあります。

個人的な見解ですが、私は「健康リテラシー」が追いついてないのが一番の問題だと思います。つまり、私たち日本人は「長寿時代を健康に生きるための理解力や知恵」がまだまだ身についていないのです。では、どうしたらいいか。最も大切なのは「筋肉にスポットを当てて、その力を引き出していくこと」だと思います。

02.
仕事を辞めたからといって
家にこもるのは自殺行為

「人生50年の時代」というのは、仕事を引退して楽隠居で余生を楽しんでいれば、すぐにお迎えがきていたから。でも、現代は「余生」と呼ぶにはあまりに長い時間が控えているのです。とはいえ、筋力が減るスピードがグッと速まってくるので、家にこもるのはほとんど自殺行為のようなもの。「定年後こそ積極的に体を動かさなくてはならない」わけです。そのためには、定年後も「働くというカード」を失わないことがカギになるでしょう。

とにかく、重要なのは「毎日行く場所がある」「顔を出す場所がある」「自分という人間を必要としてくれる場所がある」ということ。定期的に通う場所がなくなると、運動量低下によって筋肉量を激減させてしまうことが少なくないのです。あなたにとって、定年後の話というのは、まだまだ先のことかもしれませんが、ご自身の親御さんのことを考えてみてはいかがでしょうか。

03.
年老いた「未来予想図」を
描いてみる

いまから、30年後、40年後、長生きした自分は一体どのような生活をしているか「未来予想図」をイメージできますか。ここで、「もっとも不幸になったパータン」を思い浮かべてみてください。もしかすると、寝たきり、要介護、認知症になって、ろくに動けないまま、ベッドに縛りつけられているようなシーンをイメージする人が多いのではないでしょうか。

そうならないためには、筋トレをしておく必要があります。未来をイメージして、そこからの逆算発想で「いまとるべき行動=筋トレ」を導き出していく手法は、「なぜ自分はトレーニングをするのか」の理由をはっきりさせるためにも大変有効です。

04.
筋肉という人生の支えを
失わないために

筋肉の大きな役割のひとつは「体を支えること」です。人間が直立二足歩行をできるのも筋肉がしっかりと体を支えているから。ただこれだけではありません。私は、筋肉は「人生も支えている」のではないかと思います。筋肉を減らしてしまうと、寝たきりや要介護になる危険がどっと高まります。そういう「自立できない状態」に陥ってしまったら、家族や周りの人にかかってくる迷惑や負担も半端なものではありません。

ですから、いまのうちから筋肉という人生の「支え」を失わないように気をつけていただきたいのです。自分のためだけでなく、家族や周りの人たちのためにも、体を支え、健康や若さを支え、人生を支えて、末永く自立した状態をキープしていこうではありませんか。

05.
筋トレする人は、自分から
人生の流れを変えていける

「最近、調子よさそうだね」「ん、ちょっとやせた?」
筋トレやウォーキングを始めて2週間も経てば、だんだん周りの人からこういう言葉をかけられるはずです。

私は、筋肉には「人を変える力」があると思っています。筋トレなどの運動には、「人を健康にする力」もあれば、「人を若返らせる力」「人を美しくする力」もある。現に、運動を習慣づけたことで、別人になったかのように変わっていった人を私は何人も見てきています。年々衰えゆく流れに果敢に逆らい、自分の人生の流れをよりよい方向へシフトしていくことだってできるのです。

筋トレをする人が10年後、20年後になっても
老けない46の理由
コンテンツ提供元:毎日新聞出版

久野譜也/Shinya Kuno

筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。スポーツ医学の分野において、サルコペニア肥満、中高年の筋力トレーニング、健康政策などを研究。2002年に「日本全国を元気にする」というミッションを掲げ、大学発ベンチャー「㈱つくばウエルネスリサーチ」を設立。