人生を変えるには、まず「自分を知ること」から。

GoogleやIntelはじめ、シリコンバレーの有力企業が能力向上トレーニングに取り入れる「マインドフルネス」。自分の内面と向き合うことで見えてくる、さまざまな“気づき”がビジネスの現場で注目を集めています。

このマインドフルネスを教える大人の学校「スパーブ・ヘルス・アカデミー」を設立した荻原順子さん著『人生が変わるマインドフルネス』(幻冬舎)より、ここでは「自分を知る」ことに着目して紹介します。

まず身体の癖を知り
心の癖を知る

自分の心と身体を整えていくと、自分の潜在能力が生かされ、プライベートや仕事がうまくいくようになるでしょう。主婦の方であれば、より素晴らしい家庭をつくることも期待できます。

私(著者)はそれを立証していますし、整えることは、どんな方にも必要なことだと思います。そのためには、心と身体の癖を知っていくことが重要になるのです。

私が開校しているアカデミーには、オリジナルの体操プログラムもあり、生徒さんにはそれをやっていただいています。大切なのは、「教わった通りにやること」。しかし、「これくらいはできる」と思っても、実際やってみると自分の癖が出てなかなか難しいと感じる方が多いようです。

15年以上アカデミーに在籍し、「プラスパ・ソサエティ」という在校生の会の副会長をしてくださっているKさんは、私立の名門大学出身で、普段はグローバル企業でコンサルティング業務を行っている方です。そのKさんが、アカデミーで学び始めた頃のことを振り返って、以下のように語ってくださいました。

「自分で言うのもなんですが、私は物覚えも良い、要領も悪くない、運動神経も人並みよりちょっと良いと思っていました。それで、体操(マインドフルネス)なども、簡単にできると考えてしまっていたのです。けれども、やればやるほど奥深かった。

さまざまな指導を受けて考えていると、だんだん動きの中にその人の心の癖が出てくるのだと気づいたのです。当時、私の中には講師の方に対して挑戦的な心理があったのでしょう。荻原先生から見ると、さぞ肩に力が入り、空気に溶け込まない、違和感のある怖い人が体操をしているように見えたのではないでしょうか。プラスパのマインドフルネスを学び、とても重要なことに気づかせていただきました」

身体の癖や心の癖は、ひとりでは気づきにくいものです。身体の動きに意識的になり、人からの指摘に耳を傾けてみる。そんな姿勢も必要だと思います。

何もできない自分
できていない自分
を受け入れる

上記で説明したように、アカデミーで教えているオリジナル体操は一見簡単なようですが、奥が深いものです。右脳を使うのが得意であったり、スポーツマンであっても「自分はこんなことができないのだ」と気づくのです。

教わった通りに身体を動かせない原因は、思考に癖があるためです。身体を動かしながら、またインストラクターから指導を受けながら、自分の癖に気づき、それを直そうとしないと、心も身体も整いません。

このように、普段の生活でも自分の考えや言動が間違っていると気づいたら、答えを見つけて正していく努力をしてみてください。言葉遣いや行動を変えていくと、物事が少し前進するはずです。最終的には「自分を知らないと何もできない」というところに行き着くでしょう。

・実は自分はとても打たれ弱かった

・こんなことができなかった

・こんなことが得意だった

・こういう時、自分はこんなふうに感じる

このように、まずは「自分を知る」ということが始まりの第一歩なのです。

人の話をなかなか聞けない
自分の「意識」に気づく

生徒さんにさまざまなことを教えていると、「人は人の話を聞くということが、どれだけできないか」ということによく気付かされます。

例えば、「こうしてください」と決まりごとをお伝えしても、何も覚えていないという人がいます。人から注意をされたり、自分の言動をフィードバックされても、大人になればなるほどなかなか素直に聞けないものなのですね。

よく「脳は自分の都合の良いようにしか覚えない」と言いますが、本当にその通りだと思います。自分が違っていたことに気づいても、脳は自分の都合の良い方に働いてしまう傾向があるようです。だからこそ、繰り返しの訓練が必要なのです。

そのため、当アカデミーでは、2年間のカリキュラムを終えても、さらにモチベーションを高めたい方にはカリキュラムを学び直せる仕組みも用意しています。同じことを繰り返すことで、ようやく自分の癖に気づけることを知ってほしいです。

自分の癖を直そうと意識することが出来るようになると、人からの注意が聞けるようになるのです。それを頭に入れて生活してみましょう。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。