カンボジア「伝統の森」に水車を設置し、電力自給を目指したい

カンボジアでは、20数年にも及んだ内戦とその後の混乱により、たくさんの人が傷つき、文化や財産が失われました。

伝統的な絹織物も、そのひとつ。カンボジアのNGO・クメール伝統織物研究所(IKTT)は、伝統織物の復興や担い手の育成、そして、生活環境の再生のために活動を進めてきた団体です。

途絶えかけた伝統絹織物を復興する

content_d5cc5d2ce493f73997eca9912ce72b5f07b0deefcontent_954985f6298a231170d9a7b1908771f68e2a25fd (1)IKTTは、京都の友禅職人だった森本喜久男さんが1996年にカンボジアで設立した現地NGO。そのミッションは、カンボジア内戦とその後の混乱のなかで、途絶えかけた伝統の絹織物の復興にありました。

養蚕・桑の木栽培・染料づくりが
「伝統の森」でスタート

森本さんは、2002年に土地を取得し、織物を中心にした循環型の村づくりを始めます。これは、村人たちとともに暮らしながら染め織りを復活させる活動です。

養蚕をはじめ、それに必要な桑の木を植え、自然染料となる草木の栽培をスタート。IKTTの活動拠点となるこの土地は、「伝統の森」と呼ばれています。
content_6be47c4508a79e2a4f879943f4d20906222b85a0 (1) content_1e8a29b5426dc6dbe74fd6217d2307d2c5456ff9IKTTで織り上げられるシルク布は、世界一の品質と呼ばれるまでになりました。設立から20年、すばらしいカンボジアの伝統が再興するに至りました。

エネルギー自給化による
「循環型社会」を目指す

そんな中、課題となったのがエネルギーの自給化。今回の電力自給を目指すプロジェクトリーダーである土井新悟さんは、電気・通信設備の会社の経営者で、未来の社会を考えたとき、IKTTの循環型社会に大きなヒントがあると感じました。

そして、土井さんは、小水力発電を「伝統の森」に導入し、電力自給を実現することが、持続的な循環型社会形成には欠かせないと考え、当プロジェクトを立ち上げました。

これは、敷地のすぐ横を流れる川の水流を利用して、発電する仕組み。この小水力発電システムは、約0.5kWの発電出力を想定しています。これは、伝統の森で使用する電力のおよそ3~4分の1を賄えます。いまのところ、日中は発電機は動かしていませんが、今回のプロジェクトが実現すれば、日中の電力供給も可能になります。

「小水力発電によって電力をまかなうことで、『伝統の森』に住むカンボジアの人たちの生活がより豊かなものになり、本当の意味での「自然循環型社会」を築くことができるのです。これは、これからの未来を示す道しるべになるのではと考えています」と土井さん。

ただ、水車の制作、土木工事、発電機の購入など、プロジェクトに必要な資金は不足。そのため、クラウドファンディングサイト「READYFOR」で募っています。

関連する記事

日本人が知らないカンボジアの“今”が詰め込まれているのが、このガイドブック。1月5日から発売されている『CAMBODIA BOOK カンボジア観光ガイドブ...
脳内麻薬が炸裂しそうなカンボジアの「生春巻き」について。
先月初旬、六本木ヒルズ森タワーがオフィス入居テナントに対して、再生可能エネルギー由来の電力供給をスタート。オフィス賃貸事業者による、入居テナントへの再エネ...
ディズニーキャラクターと京都の伝統工芸が異色のコラボ。「ディズニー/京都伝統工芸シリーズ」展示会で2月16〜23日に鑑賞できる。オンラインショップでの作品...
外出困難者が“分身ロボット”で働く「分身ロボットカフェDAWN ver.β」が2021年6月、日本橋エリアでオープンする。
「楽天」は国際的な環境イニシアチブ「RE100」に加盟し、2025年までに自社事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーにする方針を発表した。
京都の竹工芸職人、小倉智恵美さんが手がけるのは、代々伝わる「竹籠」の技術を活かして作られた「Kyoto Basketry Accesory Series」...

人気の記事

国際送金サービスをおこなう企業「Remitly」が、“海外でもっとも住みたいと思われている国はどこなのか”をグローバル検索データを利用して調査。それぞれの...
「国際宇宙ステーション(ISS)」に滞在した山崎直子氏の経験を聞けるだけでも貴重な体験だが、今回はほかにもさまざまな特別プログラムが用意されているようだ。
SNS映えに特化した観光サイト「スナップレイス」が、2020年の総集編として「インスタ映えスポット」ランキングトップ10を発表。
3月16日、軽井沢にほど近い御代田町に新たなラグジュアリーホテル「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」が開業。すでに予約を受付中。
最高級羽毛「アイダーダウン」を生態模倣した人工羽毛「AirFlake」を中綿素材に使用。マミー型と封筒型の両方のメリットを活かした「ブーツ型」の寝袋「レリ...
「ラムを作ろう、壁ではなく」というタイトルのユニークな動画広告は、オーストラリアのラム肉メーカー「Australian Lamb」が制作したもの。「私たち...
「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」のミュージアムショップがセレクトしたスピーカー/ラジオ「OB‐4 マジックラジオ」が日本初上陸。DJコントローラーの...