「古本」からいい匂いがするのには、こういう理由があった

図書館や古本屋さんに入ると、独特の匂いが漂っていますよね。新書の状態から、あのノスタルジーをそそる匂いになるまで、一体どのように変化しているのでしょうか。そんな謎を、YouTube「SciShow」より、Michael Arandaさんが解説。

あの匂いが好きな人、雑学のひとつとして参考にしてみては?

「本」は様々な化学要素を
隠し持っている

そもそも「本」には、紙、インクだけでなく、装丁の際にもたくさんの化学要素が含まれています。そして紙には線維素、植物にも含まれる物質「リグニン」などがあります。

光、熱、湿気に反応して
新たな「匂い」が生まれる

本がもともと持つ科学物質が、光、熱、そして湿気に触れることで分解され「揮発性有機化合物」(略:VOC)が、空気中に放出されます。VOCが放出されることにより、あの不思議と落ち着く、古書の匂いが漂い始めるのです。

VOCには様々な種類があり、製本当初に含まれていた化学物質の微妙な違いにより、匂いが変わってくるのだとか。たとえば、アーモンドの匂いがするのであれば、「ベンズアルデビド」という化学物質が放出されている証拠。バニラ風味の匂いは、バニラの匂い付けに使われている化学物質「バニリン」の仕業。どことなく甘い匂いがするのであれば、プラスチック、インクや絵の具にも含まれている「エチルベンゼン」が含まれている証拠。そしてフローラルの香りがするのであれば「2-エチルヘキサノール」が影響しています。

匂いひとつで
本の歴史も明らかに

古本の匂いを嗅ぐことで製本当初の化学物質が把握できるため、この匂いをもとにすれば発行年や、どれだけ劣化しているかなど、本のコンディションがわかるといいます。さらに、火災や水害にあったか、などまで判明できるそうです。嗅覚をつかって歴史を知ることができるなんて、オモシロイですよね。

Licensed material used with permission by SciShow
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