いい匂いがする埼玉・ときがわ町の「おためし住宅」で、今後の生き方をちょっと考えた

ある芸術家の方が、こんな風に言っていたそうです。

「ときがわは、匂いがいい」

景色でも食材でもなく、匂い。なんだか気になります。

埼玉にある「ときがわ」という場所は聞いたことあっても、実際どこにあるのかは埼玉県民でも知らない人が多いそうです(ちなみに私は千葉県民)。でも、古民家での田舎暮らし希望者となると話は変わってきて、移住候補の上位に必ず上がってくるのが「ときがわ町」の特徴。

さらに最近は「おためし住宅」という取り組みが人気で、予約待ちの状態だそうで……。

秘境というほど秘境ではない
「ときがわ町」は、なぜ人気?

©2018 ときがわ町

まずは上の写真で、ときがわ町の自然を見ながらイメージを湧かせて見てください。残念ながらトトロの舞台ではないそうですが、メイちゃんも元気に走り回ってそうな景色。

子ども達がどれだけ騒いでも泣いても遊んでも大丈夫だから、という理由で東京から移住してくる人も多いそうです。

「埼玉の秘境」なんて言われることもありますが、東武東上線「森林公園駅」を使えば池袋駅まで急行で57分ですし、ほぼ座れます。移住というよりも、東京で働きながら田舎暮らしができる場所への引っ越し、というニュアンスのほうが近いでしょうか。それも人気の理由のひとつ。

©2018 ときがわ町
©2018 ときがわ町

あぁ、癒される。

「やまんなか」に
おためし住宅、あります

©2018 ときがわ町
山の中にある「おためし住宅 やまんなか」は平屋スタイル

さて、本題の「おためし住宅」について教えてくれたのは、空き家メディエイターの尾上美保子さん。

ときがわ町には「やまんなか」という丸々一軒平屋式のおためし住宅があり、ここに宿泊する人は、とくに熱狂的なときがわファンの人が多いそうです。少しでも移住がしやすくなるように、と古民家を改修して作られました。

つい最近も、古民家を探しているドイツ人家族を案内したそうで、日本の田舎が好きな外国人からの注目度も上がっています。

利用価格も手頃なので、とくに夏の間は希望者が増加。

やまんなか
1ヶ月 30000円 / 7日間 10000円
別途、1日につき光熱水費500円

移住希望者の多くが古民家での生活を求めているそうですが、「田舎にさえ来れば平屋で、庭が広くて、景観が良い家がある」と思われがちなものの、実際は、希望と空き家のマッチングがなかなか難しいのだとか。

古民家と言えども相続の問題や、仏壇が置いてあったりする関係で、提供してくれる人が少ないのも事実。現状「100世帯近くの人に待ってもらっています」とのこと。

理想の田舎暮らしを実現するには、やっぱり時間も必要。だからこそ「おためし住宅」の存在がとても活きてくるんですね。

©2018 ときがわ町
シェアハウスの「まちんなか」は二階建て

ちなみに、ときがわ町には「まちんなか」という1人あたり25000円/月で居住できるシェアハウスもありますが、こちらもおためし住宅同様にとても人気が高く、現在は新規入居者を受け付けていないそうです。

本当のお付き合いは「住んでから」
つながりが何よりも大切

©2018 ときがわ町
空き家メディエイターの尾上美保子さん(左)

たとえば、家族のアトピーや喘息、アレルギーを和らげたいと思ってお試し住宅を訪れる場合、一番良い移住先を探そうと気を張りすぎて、お母さん自身が疲れきってしまっていることも多いそう。

そういうときこそ、住宅の話だけではなく、日常的なコミュニケーションも大切にしているんです、と尾上さん。

「家が決まったら終わり、ではなく、実際に住んでからが本当のお付き合いですから。移住する方も馴染めるか不安だと思いますが、受け入れる地元の人たちも同じように不安を抱えています。地域の行事や班での役割が多かったり、田舎暮らしは人と密接に関わるからこそ、最初は間に入ることができる人が必要だと思うんです」

町全体で、子育て世代が
暮らしやすい環境づくりを

©2018 ときがわ町

ときがわ町は多子世帯が多いと聞いて、子育てのしやすさについて初代町長の関口定男さんと、ときがわカンパニー合同会社代表の関根雅泰さんに話を伺うことに。

聞けば納得、中学3年生までの医療費やワクチンの無料化、妊婦健康診査の補助、出産祝金の支給などのファミリーサポートを充実させていたり、仕事面においても、ときがわカンパニーが中心となって「起業しやすい町」を目指してセミナーや相談会を開き、実際に起業している人も増えているそうです。現在も、高校の跡地を使って300人ほどの雇用を生む企業の誘致に動き出している、とのこと。

「僕も移住組ですからね」と、関根さん。

リアルな側面としては、少なからずアクセスの不便さはありますよ、と。子どもたちが高校生になると、マストになるのが送迎。隣町まで通学する必要があって、自転車だと片道40分ほどかかってしまうそう。最寄駅まで車で送ってあげることが多く「雨の日はとくに、晩酌を我慢しないといけないですから……(笑)」。

美味しいご飯と温泉
ふらっと日帰りでも癒される

2006年は年間60万人ほどだった観光客も、今では100万人を突破。といっても宿泊施設がまだ少なく、川沿いでキャンプ泊をする人が多いそう。

伝統食のうどん・そば打ちが体験できたり、渓谷のほとりには温泉もある。1泊できたら満天の星が見れるし、週末だけでもリフレッシュするのにはちょうどいい〜。最近は民泊も1軒オープンしたそうです。

ふらっと観光として立ち寄るだけでも、ときがわの “いい匂い” の秘密に出逢えるかもしれませんね。

ときがわ町役場 企画財政課 制作担当
住所:埼玉県比企郡ときがわ町大字玉川2490番地
TEL:0493-65-1521(内線2234)

Re´lease(担当:空き家メディエイター 尾上美保子)
住所:埼玉県比企郡ときがわ町大字番匠236-1
TEL:0493-81-3338

Top image: © ときがわ町
取材協力:埼玉県, ときがわカンパニー

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