「悪魔の実」だと思って焼き捨てたら意外といい匂いがしてきた、というコーヒーの起源の話。
毎日飲む、コーヒー。
私の生活になくてはならないものですが、一体誰がどうやって最初にコーヒーを見つけて飲むことになったのか、ご存知でしょうか。
以前、コーヒー豆の豆知識について記事を書いたときに少し触れましたが、コーヒー豆はじつは「フルーツの種」なんです。それが今回の、コーヒーは誰が見つけた? というテーマの鍵になってきます。
「赤い実」を食べた
ヤギが踊ってるよ!
昔々。9世紀ごろのエチオピアに、カルディというヤギ使いがいました。カルディは毎日しっかりヤギの世話をする青年でしたが、ある日ヤギたちがハイになり、踊っているのを見つけます。
「おいおい、ヤギが踊ってるよ、一体どうしたんだよ」
よくよく観察してみると、
ヤギたちは木に成っている「赤い実」を食べては跳ね回っていることに気づきました。好奇心旺盛なカルディは、自分もその実を食べてみることに。すると…シャッキーーーン!! なんだかとっても目が覚めて元気になったそうです。
こ、これは、なんなんだ?
ということで、町の僧侶のところへ持って行きます。
それを食べた僧侶たちもシャッキーーン! でも、食べたらなんだか気が高ぶってしまうこの赤い実を、僧侶たちは「悪魔の実だ」と考えてしまいます。
こんな危険なもの、捨ててしまえ!
と火の中に放り込むのです。
さて、勘の良い人ならそろそろ流れがわかってきたかもしれません。
そう、火の中に放り込むと香ばしい匂いがしてきます。コーヒーの実の中にある種が焙煎された状態ですね。そりゃいい香りでしょう。そのあまりにも落ち着くいい香りに僧侶たちも勝てるわけがありません。
「しょうがない。この悪魔の実にもう一度チャンスをやろう」
と言い始めます。(素直になって!)
火の中から取り出した、うまい具合に焙煎されたコーヒー豆。そのままでは硬くて食べられないので、砕いてお湯の中に入れて飲んでみたそうです。それが未だに私たちを魅了するコーヒーの始まり、と言われています。
昔話や伝説のような感じなので、もちろん諸説あるんですが、私はこの
「悪魔の実だ! 焼き捨てろ! あれ、なんかいい匂い…」
のストーリーが1番好きなのでご紹介しました。
最初に登場した、ヤギ使いのカルディ。もうお分かりですね。コーヒーと輸入食品のお店「カルディ」は、そのヤギ使いの名前から来ています。そして、コーヒー豆のパッケージでヤギがロゴマークとなっている会社をチラホラ見かけるのは、ヤギがコーヒー豆を最初に見つけたという伝説から来ているんですね。
今度カルディの前を通りかかったら、カルディ青年とヤギのお話を友だちにも話してみてくださいね。