人類の歴史が育んだ、「知恵」にまつわる8つの名言
名言は、人類の歴史の中で活躍した偉人たちの考えを今に伝えてくれます。時を超えて、成功者たちの思想を学ぶことができるのです。
そんな古今東西の名言に遠越段さんが解説をつけてまとめた『心に火をつける言葉』から、今回は「知恵」にまつわる8つの名言を紹介します。
01.
一番忙しい人間こそが、最も多くの時間を手にするのだ。
アレクサンドル・ビネ
本当に仕事のできる人間には仕事が集まり、忙しくなる。しかし忙しいからこそたくさんの成果を生み続けることができるし、多くの経験を積んで成長することもできるだろう。忙しい人は、人生のスピードが速い。短時間で多くのことができるということは、それだけ多くの時間を持っているのと同じことなのだ。
02.
成功の秘訣は、自分で仕事をすることにあるのではなく、仕事を任せるにふさわしい人材を見つけることにある。
アンドリュー・カーネギー
仕事は自分一人だけではできない。信じることのできる人を見つけて、仕事を任せられる関係になってこそ、大きな仕事をすることができるのだ。自らが仕事に対して覚悟を持ち、人を信頼し、自らも信頼に足る人格を持つことで、協力者を集め、彼らに社会に貢献するビジョンを見せることで、大きな仕事に取り組むことができるのである。
03.
物事には良いも悪いもない。考え方によって、良くも悪くもなるだけだ。
ウィリアム・シェイクスピア
物事の良い悪いを決めることは難しい。良いと思ったことが、後から見れば悪かったということはままある。時代によって判断が変わるどころか、百年前、千年前のことでさえ、未だに歴史学者によって良し悪しが議論されている。結局は自分ではわからないのだ。だからこそ、自分にとって何が「良い」「正しい」のかを確立しておくことが大切だ。
04.
今は現実となっているものも、かつては空想のものでしかなかったのだ。
ウィリアム・ブレイク
今から30年以上前には、携帯電話は空想のものとして語られていた。人が言葉を持ったことが大きな力となり、言葉が物事を実現していく。空想や想像の世界で思い描けることは実現することができるのだ。携帯電話と同じく、空想の産物として語られてきたガンの特効薬も、現実のものとなるかもしれない。
05.
愚か者ははるか遠いところに幸福を探し求め、賢い者は足元で幸福を育てる。
ジェームズ・オッペンハイム
自分の生き方に満足することを幸福ととらえるのであれば、それはやはり自分の今の足元にあるはずだ。例え遠く感じる夢であっても、そこに至ろうとすれば、必ず今立っている足元から出発しなくてはならない。「ここではないどこか」へと憧れるのではなく、幸福をまず「いま、ここ」たる足元に見出し育てていくという生き方こそが、やはり賢者のやり方であろう。
06.
学費は安くないが、経験は素晴らしい学校だ。
ハインリヒ・ハイネ
ハイネは抒情的な詩が日本人に愛される人気の高い文学者であったが、その詩はじつはハイネの苦しい人生経験から生まれていると言える。会社経営の失敗、悲恋、不治の病いなど、ハイネは多くの苦しい経験を持っている。しかし、それを彼は「素晴らしい学校」と呼んで肯定的に捉えたのである。「学費は安くない」と述べているあたり、失ったものも多かったに違いない。しかし最終的にはそれ以上のものを得たと感じたからこそ、このような名言を残したのだろう。
07.
人生を愛することは、時間を愛することだ。人生は時間で出来ているのだから。
ベンジャミン・フランクリン
「時は金なり」もベンジャミン・フランクリンの名言である。これは何も、お金儲けに精を出せということではない。自分の人生を有意義に生きるためには、どうしても時間が大切になるということだ。フランクリンはその勤勉さで知られ、今に繋がるアメリカを作り上げた建国の父の一人に数えられる偉業を成し遂げた。何かを成そうと思うなら、大切な自分の人生、自分の時間を大切にしなくてはならない。
08.
多くの人々に幸せや喜びを与えていく。それ以上に、尊くて素晴らしいものなどない。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
日本では年末になると、ベートーヴェンの「交響曲第九合唱付き」のコンサートが行われる。その中では「我々はもっと心地よい、もっと歓喜にあふれた歌を歌おうではないか」と歌われる。昔、音楽室で見かけたベートーヴェンの肖像画は気難しい顔をしていたかもしれない。しかし彼は、この第九をはじめとして、まさに世界中の人に幸せや喜びを与えている。本人の言う通り、こんなに尊くて素晴らしいものなどないだろう。