「ダメダメエピソード」があなたの好感度を上げる理由
「好感度が高い人」になるためには、まわりから信頼されるように努めなければなりません。しかし、いきなり信頼を獲得するのは難しいもの。
ビジネスパーソンに向けてコーチングスクールを運営している馬場啓介さんの著書『なぜか好かれる人の「わからせる」技術』では、より効果的に自分のセールスポイントをアピールする方法が書かれています。
あなたがもしピンチになっても、密な関係を築いていれば、誰かが助けてくれるはず。
それは良い背伸び?
残念な背伸び?
本当にすごい人というのは、決してそのすごさを誇張したりはしません。わざわざ自分を大きく見せたりもしないのです。
コンプレックスを隠そうとしたり、やたら高級品で身を固めて、自分をワンランク上に見せたり、尊大な態度を取ったりするのは、残念な背伸びです。これは不安から生まれる行動で、食品偽装のようなもの。まわりの人の目には自信がないように映り、信頼や好感を得ることはないでしょう。行動も空回りして、アピールも自己満足になってしまいます。
ただし、こうなりたいと思った目標に向かい、自分に対して背伸びをするのは、間違ったことではありません。まわりの人に良く見せたいからと背伸びをするのとはワケが違うのです。
心の中では思いっきり背伸びをして自分を成長させ、人前では等身大で勝負をする。これを心がけてください。
サッカー海外組に学ぶ
信頼残高の積み立て方
自分の頑張りは、実力だけでなく、それをわかってもらおうとする日々の積み重ねがあってこそ伝わるもの。
ここで、海外のプロサッカーチームで活躍する日本代表キャプテン長谷部誠選手を例に挙げます。彼は自分でも言うように、スター選手のように目立つわけでも、その中で特別に技術が優れているわけでもありません。しかし試合中はチーム全体を俯瞰し、弱いと思ったところにすっと入ってサポートするなど、チームとしてとても助かる役割を果たしています。さらにはチームのために一貫して嫌われ役を担っているのだそうです。
日々、こうした姿勢を監督に見せたことで、彼は人間として信頼されるようになりました。チーム全体を眺めたとき、この選手がチームには必要だと判断されたからこそ、活躍することができているそうです。
このように、私たちも上司や同僚から信頼を得ることで、良好な人間関係を築くことができるのです。
視点の数を増やせば
誰とでも楽しく話せる!
コミュニケーション能力が高い人は、興味がない人とも楽しく話せる才能を持っています。「この人苦手だな」とすぐに判断せず、「どんな経験からこういう性格になったのだろう?」と、相手への嫌悪感を好奇心に切り替え、尽きることなく会話ができるからです。
こういう人たちに共通するのは、人より多くの「視点の数」を持っていること。もちろん私たちも訓練すれば、増やすことができます。
まずは「なぜ?」と、疑問を持つようにしてください。当たり前の現象をそのまま受け取る人と「なぜこうなったのだろう?」と興味を持つ人では、視点の数が違うのです。「なぜ?」を日々に取り入れられれば、物事をいろいろな角度から伝えられるようになるでしょう。
次に、何かを判断する際には、いろいろな情報源から知識を吸収するようにしてください。AとBしか知らずにAを選ぶ人と、A~Dを知ってAを選んでいる人とでは、同じものをチョイスしていても大きな差があります。
情報の量は、視点を増やす上でとても重要なことです。偏った発言をしにくくなりますし、いろいろな人たちと質の高いコミュニケーションがとりやすくなります。
「ダメダメエピソード」は
人との距離を近づける
私たちは完璧ぶっている人に嫌悪感を持ち、時には失敗すれば良いのに…と意地悪な目で見てしまうことがあります。ところが反対に、ダメなところを見せられると、不思議と「相手をよく見てあげよう」という心理が働くものです。
職場でも、笑いになる失敗をしてしまう人は、なぜか助けてもらえたり、周りからあたたかい目で見られていないでしょうか?まさにそういうことです。
ダメなエピソードや天然な部分を持っている人は、相手に突っ込ませどころを与えることができます。相手に話題や会話のきっかけを与えるのは、コミュニケーションにおいてとても重要なこと。場を和ませ、そこから会話を広げる武器になります。
コミュニケーションは自分のためではありません。相手のためのものです。相手のためを思ったリアクションが必要ですし、歩幅を合わせることも大切。会話に困らないように、突っ込ませどころを提供することも思いやりのひとつです。それを意識できる人は話しかけられやすく、会話も弾み、その結果、好感度を高めることができるでしょう。