一緒に仕事をしていて「良い空気」を生み出す人。そのヒミツとは?
基本的に「信頼」とは、一発で獲得できるものではなく、日々コツコツと努力を繰り返し、いざというときに一気に効果をあらわすもの。
そこで、ビジネスコーチ馬場啓介さんの著書『なぜか好かれる人の「わからせる」技術』で紹介されていた、仕事仲間から愛される行動術を紹介しましょう。
今日からでも取り組める、実践してほしい「4つの習慣」とは?
「相手と同じ言葉」で
会話する
まわりから認めてもらうためには、「言語を揃えること」が重要なポイントです。
会議やプレゼンなどで、横文字のビジネス用語をすらすら並べてプレゼンすると、できる人に見えてカッコいいと思っている人も多いかもしれません。ですがその一方で、聞いている方は「フェーズ?プロトコル?…は?」と、なっていることも。
本当にできる人というのは、その場のメンバーに合わせた話し方をするもの。つまり、言語を揃えることができるのです。
また、会話中はその人がよく使う言葉に注意してみてください。「夢」という言葉が口癖の人だったら、「人生」や「生き方」というフレーズを好んでいるかもしれません。キーワードを抽出するだけでも、なんとなくその人の好みが見えてくるはずです。
意識して口にすることで、相手との距離もぐっと近づき、仕事もスムーズに進みやすくなります。そうなれば、まわりの評価も一変するでしょう。
良い空気をつくる
「濁し」と「ポジティブ」
「きっと」「かもしれない」「もしかしたら」という言葉を使用する、いわゆる濁す言葉は、ビジネスに有効です。なぜなら人間は、勢いよく言い切られると無意識に反論したくなる生き物だからです。そこから言い合いになり、気まずい空気になり、関係がぎくしゃくしてしまうことも…。
自分の意見を伝えるときも「そういうことも、あるかもしれないですね」と濁すことで「まぁそうか」と相手もこちらの意見を受け入れやすくなるものです。また、「さらに」「もっと」といった前向きな印象を与える言葉も有効。
また、上司が部下に対して「お前やる気がないな」と言うと、部下だってムッとしますし、一層やる気をなくします。ところが「お前ならもっと頑張れる」と前向きな言葉を使えば、相手にポジティブな印象を与えられるので、「期待されているのかも」と、やる気スイッチが入りやすくなるはず。
「濁す言葉」と「前向きな言葉」をうまく取り入れ、職場の環境を良くしていきましょう。
「他人のせい」ではなく
「もののせい」にする
仕事では、自分以外の人が原因で、大きな問題が起こることもあります。そんなときはどうしても「自分のせいじゃないし!」とイライラしますよね。
多くの自己啓発本では「起こったことはすべて自分の責任であると捉えなさい」と書かれています。しかし現実には、すべてを受け止めるなんて苦しいだけ。そこは我慢せず、一度落ち込んでください。ストレスを発散させることで、また元の自分に戻ることができます。
その方法として紹介したいのが「何かのしわざにしてしまう」というものです。それも身近な人のせいにするのではなく、当たり障りのない「もの」に責任を押しつけてみてください。ポイントは、5分間と決めて誰もいないところで、誰にも被害が及ばない対象に向かって実行することです。それは、人形でも自動販売機でも何でもかまいません。
ミスをした本人を責めても、感情が高ぶっていますから、人間関係が悪くなるだけです。あくまで「もの」に対して「お前のせいだ!」と怒りをぶつけましょう。すると、意外と気持ちがスッキリして、フラットな状態で次の仕事に臨むことができます。
敵意を持たれたら
「ひとつ上のステージ」へ
仕事をしていると、チクリと嫌味を言われたり、妬まれたり、競争心を持たれることが稀にあります。
まず、敵意を持つ相手が、自分のことで悪いウワサ話を流したり、批判したり、否定するのは、9割が「嫉妬」だと思ってください。ということは、相手にとって自分は興味のある対象であるということ。「なんだ私のことが気になるのか(ニヤリ)」といった、一段上のスタンスを心がけてみましょう。そうすることで心が軽くなります。
敵意というほどではありませんが、外野からの声に対する良い対応で思い出すのは、キング・カズこと、三浦知良選手。現役にこだわり、まだまだ頑張っている彼に対し、野球解説者の張本勲さんが「もうお辞めなさい」と言ったことが話題になりました。
三浦選手はこれに憤慨するどころか「もっと活躍しろって言われているんだなと思う。『これなら引退しなくていいって俺に言わせてみろ』ってことだと…」と大人の対応をしました。こんなことを言われたら、もう何も言い返せませんよね。
あなたも今後、誰かに何か批判的なことを言われたら、彼のようなメンタルを持ち、余裕の態度で対応してみてください。ずいぶん楽になるはずです。