未来の自分を幸せにするのは、「過去の恋人」ではないワケ
2人では解決できない大きな問題があって、長年付き合っていた恋人と別れた。だけど、その人が過去に与えてくれた安心感や楽しかった思い出が心に残っていて、すぐにヨリを戻してしまう。そんなカップルって、結構いると思うんです。でも、そうやって一時的に関係が戻ったとしても、しばらくすると前よりもこじれてしまい後悔する、というのはよく聞く話。
「Elite Daily」のKeay Nigelさんは、結婚直前の恋人と別れてしまった友人のことを綴っています。「過去の恋愛」に上手く決着がつけられない人の心に突き刺さる内容です。
愛なのか情なのか
わからない関係
最近、親しい女友達から電話があり、6年間付き合った婚約者と別れたことを告げられました。
彼女は、昨年婚約をして新居を購入する計画も立てていたし、ソーシャルメディアで報告される2人の交際は全て順調に見えていたのです。だから、完璧な関係だと思っていた私もショックでした。
今となっては、「元カレ」「元婚約者」となった男性。でも、彼女にとっては大学1年生の時に出会った初めての恋人。その時は、私を含めた友人全員が心から祝福したのです。
2人は4年間の大学生活の中、付き合い続けて卒業後にヨーロッパ旅行に行きました。その後、彼女は仕事の関係で他の州に引越し、遠距離恋愛がスタート。しかし、その1年後には再び同じ街で暮らし始めたのです。
それから間もなく、彼から彼女にプロポーズしてめでたく婚約。初恋の相手とハッピーエンドを迎えたよくあるラブストーリーのように、全てが計画通りに進んでいるように見えました。
でも、運命のいたずらなのか、友人は結婚しようとしていた相手と突然別れて、状況は変わりました。
「誰かを心から愛して一緒にいるのか、単に情があって一緒にいるだけなのか、どうしたらわかるの?」と、彼女は電話で、私に尋ねてきたことがあります。その問いに私は、愕然としてしまって「ちゃんと答えたいから少し待ってて」と、伝えました。
1〜2分くらいの気まずい沈黙が続きました。その後に、私が語った内容を皆さんに紹介しましょう。
本当に「必要」なのは何か
誰かを「欲しがる」ことと、誰かを「必要とする」ことには違いがあるのです。
例えば、あなたはプラダのバッグを欲しがっていますが、それは必要なものではありません。もちろん、欲しいという気持ちは、その状況によって強くなったり、弱くなったりすると思います。もしかしたら、本当に望んでいるかもしれないし、なんとなく思っているだけなのかもしれません。
その一方で、「酸素」は自分にとって絶対に必要なものです。普段は、それを強く求めません。だけど、生きていくには欠かせないもので、溺れている時は、「必要なもの」から「欲しいもの」に変わります。
こういう場合、生きるために息を吸いたいという欲求になります。私たちは何かを失ってから初めて、その価値や本当の必要性に気づくのです。
「欲しい」から
「必要」に変わるのが愛
何かを欲しがることと、必要とすることは、極めて似ているけど異なります。では、愛とは一体何でしょうか?
この究極の問いに対する答えはこう。愛とは、必要なものを欲しがると同時に、欲しいものを必要とすること。
もっと詳しく説明すると、大半の恋愛関係は「欲しい」という状態から始めるのです。誰かに恋する時、あなたはその人を心から手に入れたいと思っています。
そして、誰かを愛し続けると、その人は徐々にあなたの生活の一部となり、恋人なしでは生きられないと思うようになります。これが、「欲しい」から「必要」に変わる瞬間。何かを欲しがると同時にそれを必要とする時、はじめてその状態を愛と呼ぶことができます。
この時、身も心も相手に強く依存しているため、もしも相手が自分の前から消えたら、まともな人生を送ることができなくなります。
恋人から受け入れられることで、安心感を得ることができているのです。
過去の愛に依存すると
未来の幸せを逃してしまう
愛はいつでも避難できる安全地帯 になる場合があります。その一方で、恋人同士でひどい傷を負う、危険な場所になる可能性もあるのです。
誰かと別れると、あなたはその場所を追いやられてしまい、再び安心感を得たいと思います。だから、かつての恋人のことを必要とする気持ちがわずかにでも生じてしまうのです。
私の友人もこのことを認めています。頭の中では彼が欲しいと思っていませんでした。だけど、心の中に相手に対する気持ちがまだ残っていることにひどく混乱していました。
そんな彼女に私はこう説明しました。
「あなたが感じているのは、愛ではなくてただの懐かしさ。もし、彼から復縁を迫られ、また一緒に暮らし始めたとしても満足できるのは少しの間だけ。昔は愛していたかもしれないけど、それはもう過去のこと。今のあなたが必要だと感じているのは、昔恋人が与えてくれた安心感。確かに、長い恋愛関係の後にシングルに戻るよりも、彼と一緒にいるほうが安全だと思う。でも、こんな中途半端な愛を受け入れてしまったら、未来の幸せは間違いなく危険にさらされるはず」。
彼女は、私の意見が正しいことをわかっていたし、私も自分の意見が正しいと確信していました。でも、厳しい条件を突きつけるのは、うわべだけのアドバイスになってしまうことにも気づいていました。
結局のところ、私の言葉に問題が生じた場合、それに苦労するのは私ではなく、彼女なのです。でも、自分が個人的に従えないような話をすることはしません。失恋なんて大した問題ではないと言わないし、結婚しようとしていた相手と別れるのがどんなに辛いか理解しています。とはいっても、結婚式当日に姿を消すよりはだいぶマシなことではないでしょうか?
じっくりと考えた先に
本当の愛がある
実際のところ、恋愛は白か黒かで決めることはできません。問題の80%がグレーになると私は思います。
愛は、あなたの目の前に突然現れて、幸福と喜びで心を満たしてくれるもの。でも、それと同じくらいの速度で、あなたのもとから消え去る場合もあるのです。
欲求は愛の一部ですが、誰かを欲しいと思う感覚だけで、区別することはできません。感情が変わるように、欲求も一時的なのです。そして、誰かを必要としているけれども、恋人のことを欲しいと強く思えない場合、それは単なる懐かしい気持ちからか、惰性や依存にすぎないのです。
そんな、中途半端なもので甘んじてはいけません。そして、より良い相手を見つけるために、恐れずに安全地帯から抜け出しましょう。自分に自信を持てれば、素晴らしいパートナーと結ばれることができるのです。
このことについては、じっくりと考えてください。たとえ、時間がかかったとしても間違いなく、たった一つだけの愛を手に入れることができます。