アメリカのスタバに「誰も座らないテーブル」が用意された理由

アメリカでは、5月の最終月曜日は祝日。メモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)です。

軍隊になじみのない人には、ともすればパーティーへ行くための祝日として捉えられがちですが、本来は戦没した人たちを追悼するための日。カリフォルニア州オーバーンにあるスターバックスの店長、R.J. Lugo Jr.さんは、この意味を伝えるために、店内に「特別な席」を用意しました。

もうどこにもいない
「誰か」のための席

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彼はもともと陸軍のベテラン兵士で、2006年から2007年の間にバグダッドに渡り、軍役に従事していました。

その間に目の前で死んでいった32人の兵士たちのことは誰ひとり忘れられないと、彼は言います。Logoさんは生還しましたが、それからもしばらくPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされていました。

スターバックスで店長として働くようになってからも、彼はメモリアルデーのたびに亡くなった仲間、そして家族を亡くした人々に思いを馳せていました。

この思いを少しでも伝えたいと、彼は「Missing Man」(もうどこにもいない誰か)のための席を店内に用意しました。

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テーブルセットは、米軍の伝統に則っています。これはベトナム戦争の終結以来、犠牲となった仲間のために設置され始めたものです。

それぞれにも、意味が込められています。

・丸テーブル:丸=永遠の象徴。「私たちは決して彼らを忘れない」
・白いテーブルクロス:潔白さ
・一輪の赤いバラ:愛する家族
・カットレモン:兵士たちの苦い思い
・塩:家族の涙
・ひっくり返されたワイングラス:「彼らとはもう一緒にガラスを交わすことはできない」

戦没した兵士たちに
思いを馳せて

彼の取り組みは、他店のスターバックスにも伝わりました。

退役軍人の雇用確保に努める、バージニア州・ノーフォークの軍用ストア内に併設されたスターバックスでは、店長のColemanさんが賛同し、自分の店舗にも取り入れました。

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彼自身も、祖父をベトナム戦争で亡くしています。

ノーフォークは地域柄、軍人の家族が多く、戦争で大切な人を亡くした住民も少なくありません。彼らにとってのメモリアルデーは、亡き家族に思いを馳せる日です。

だからこそ、スターバックスのトリビュートテーブルを見て、心を動かされる人も数多く存在しました。入店したとある女性は、テーブルを見て驚きと感動の声を上げていた、と振り返ります。

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トリビュートテーブルの発起人であるLugoさんは、次のメモリアルデーにも同じ取り組みを行うことを計画しています。

戦争で家族を失った人にとっては、このテーブルがひとつの慰めになるように。そして軍になじみがない人にとっては、平和と命の大切さを考える日になるように。毎年「誰も座らない」テーブルが、そっと用意されていくことでしょう。

Licensed material used with permission by Starbucks
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