トランス女性のモデルが出演するスタバのCMが感動的
トランスジェンダーのモデルが出演している「スターバックス」の広告が、注目を集めている。
トランス女性(生まれたときには男性と割り当てられたが、性自認は女性)のArpitとスターバックスで再会した両親が、彼女の新たなアイデンティティを受け入れる……といったストーリーだ。
広告は、先にスタバに着いた両親が“息子”に電話をかけるところから始まる。父親のスマホに表示されているのは、若い男性の写真。しかし、店に現れたのは、トランス女性となった娘だった。
母親は娘とハグをする一方、父親は複雑な表情を浮かべる。そんな父にArpitが「お父さんは私にとってずっと大切な人だよ」と伝えると、父はぎこちなく微笑んでコーヒーを注文しに行った。
しばらくすると、カウンターから「アイスコーヒー3つでお待ちのArpitaさま」と呼ばれる。Arpitaは、もともとの名前であるArpitを女性にしたもの。父は彼女がトランス女性として名乗っている名前でオーダーしていたのだ。
驚く彼女に対して、父は「お前は私の子どもだ。たった一文字、名前に加わっただけだ。」と告げて手を繋ぐ。
カップの名前を通じてトランスジェンダーの子どもを受け入れる父を描くのは、「スターバックス」ならではだろう。
主演を務めているのは、インドのトランスモデル・Siya。彼女自身、インドの保守的なジェンダー観に悩まされ、学校でいじめに遭ったこともあるそうだ。
なお、今回のCMは「スターバックスはインクルーシブな空間」というブランドイメージを促進するものとのこと。これに対し、ネット上では「最高に感動した!」「LGBTQの人たちをサポートする素晴らしい広告」などの声が上がっている。
ただ、インドは保守的なジェンダー観を持つ人も多い。Arpitaの父のような振る舞いができる人は、まだまだ多くはないのかもしれない——。
この原稿は、5月30日時点で、一部加筆修正を行っております。