「おいしそう!」をつくり出す、涙ぐましい努力の結晶

ハンバーガーとビール、見ただけでお腹がなってしまう人も多いはず。サンディエゴで金のない時代を過ごした自分にとって、週に1度のぜいたくがこのコンビネーションだった。

背伸びせずに手づかみで「うまい!」が、当時も今も自分には合っている。

おいしそう!をつくりだす
シズル感の演出家たち

その「おいしそう」をつくりだす、職人たちの裏側を見てみよう。と言っても、ここでの主役は料理人ではなく、もうひとつの“おいしく見せる”プロ集団たちだ。

ハンバーガーショップのCMかなにかのメイキング動画なんだけど、人々を店へと駆り立てるための動機づくりに、これほどアナログな手間をかけているってことに正直かなり驚かされた。

なぜかアッチヘ飛んだり、上から食材が落ちてきたり…。

01.
ケチャップとマスタードを
放り投げる(?)

ケチャップとマスタードを入れた特殊な容器を、左右から同時に発射。放り出された2つの調味料が頂点で交差する。わざわざ発射装置をプログラミングして、この一瞬を切り出した。もちろん、このためだけにつくられたもの。

02.
バンズごと、
食材を垂直に落とす

バンズ、オニオン、トマト、チーズ、パティ……「おいしそう」と見た人のハートとお腹を刺激するための、緻密な計算式を重力から割り出していく。文字にすればカンタン、けれど動画を見るに、やっぱり一筋縄ではいかないようだ。

バーガーを構成する食材の一つひとつを、タイミングよく落とすための試行錯誤が繰り返された。

それにしても、考えるまでもなくCGを使えばなんのことはない話。けれどそこを徹底的にリアルにこだわるのは、「おいしそう!」というユーザーの感情を植え付けるための“シズル感”を生み出すために他ならない。

03.
バランス良く着地させる

最後の難題は、トマトやレタスなどが行儀よくバンズの上に着地すること。タイミングと方向が合わなければ、何度やっても上手くいくはずもない。ところが、それをわずか数回のテイクで成功。

「運が良かっただけ」と、動画のなかでナレーターは語った。

こうして、すべての動画をつなぎ合わせてできあがったのが、15秒間のこの映像。たとえお腹が減っていなくても、「ぐぅ〜」と音がしてくるんじゃないだろうか。

必見!
#8秒で腹がなる

落ちる食材はハイスピードカメラが捉えていた。この動きもプログラミングして、同じ動作を繰り返すよう設定してあるようだが、詳細はメイキング動画でていねいに解説をしているから、気になる人はチェックを。

Licensed material used with permission by Steve Giralt
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。