この番組で一番注目して欲しいのは、ピンチをチャンスに変える「メンタル」だ
会議やプレゼン、上司からの激詰めなど、とにかくプレッシャーが多いビジネスの世界。思うようにパフォーマンスを発揮できずに悩んでいる人は、ぜひAmazonプライム・ビデオのオリジナルコンテンツ『ドキュメンタル』を観て欲しい。これは、カテゴライズするとすればお笑い番組だが、逆境に強くなるためのヒントに溢れている。
松本人志の「笑い」に対する壮大な実験
『ドキュメンタル』とは、「ドキュメント」と「メンタル」を組み合わせた造語。自腹で用意した参加費100万円を持ち、密室に集まったお笑い芸人たちが、制限時間内でお互いを笑わせ合い、最後まで笑うこと無く生き残ったものが優勝。外的要因が一切遮断された密閉空間はもしかしたら本当に面白い芸人を決めるのに最適な場所なのかもしれない、という松本の推測のもと実験的にスタートした「お笑いサバイバル」なのである。
見ないのが勿体ない、豪華な面々が集合
好評だったシリーズ1,2に続き、8/2より配信を開始したシリーズ3。メンバーは、秋山竜次(ロバート)、岩橋良昌(プラス・マイナス)、春日俊彰(オードリー)、木下隆行(TKO)、くっきー(野性爆弾)、ケンドーコバヤシ、後藤輝基(フットボールアワー)、伊達みきお(サンドウィッチマン)、山本圭壱(極楽とんぼ)、レイザーラモンRG(レイザーラモン)という豪華な面々。
この10名がひとつの空間に集まっているというシチュエーション自体、かなりの迫力だ。
正真正銘のアウェー状態を、
自分優位の空気に変えるコミュニケーション術
芸人たちにとって『ドキュメンタル』は、「一番出たくて、一番出たくない番組」だそうだ。なぜなら、ここではどれだけ面白い場面でも誰一人として笑おうとしない、つまり普段のやり方が通用しないからである。ビジネスシーンにたとえるなら、本当にいい企画でないと話を聞いてもらえないプレゼンと同じ状況と言えるかもしれない。
まったくアウェーの状態を、どう自分優位の空気に持っていくか。わざと、いきなり突飛な行動に出るのが良いのか、それともジリジリと攻めて笑いのツボを緩めていくのが良いのか。相手を笑わそうと画策する芸人たちの姿を観察していると、逆境をチャンスに変えるコミュニケーションの手法が見えてくるはずだ。
視聴者に見せるのが憚られる行動も。
なりふり構わず結果を出す心構え
なりふり構わず結果を出す心構え、生き残るためになんでもする、今できることはすべてやる…自分が向き合っている仕事でそれができているか?
「これ以上のものができるか不安」と松本が唸ったシリーズ2で、最後に残った2人が見せた戦いは凄まじいものだった。それぞれパンツ一丁でペットボトルの水を口に含み、それを相手に向けて吐き合ったり、最後には結構濃厚なキスをしたり。もう何が何だか分からない意味不明の状態で、彼らはプライドやプレッシャーすべてを取っ払い身一つで出来ることすべてをしてみせた。
さらに豪華な面々が揃ったシリーズ3では、芸人対芸人ではなく人間対人間の灼熱の戦いが繰り広げられる。後のことはどうなってもいい、とりあえず今できることすべてをやるプロ芸人たちの姿勢から学べることは多いに違いない。