太りやすい人必見、インスリンと肥満の関係

心も体も健康でいるためには、食生活を改善し「血糖値スパイク」にならないことが重要と説くのは、栄養療法を行う医師の溝口徹さん。その著書『「血糖値スパイク」が心の不調を引き起こす』(青春出版社)、心の病を防ぐには、食生活を見直すことから、と。

では、発症する原因と何に注意すべきなのか、要チェックです。

太りやすい体質=
インスリンの過剰分泌

「小食なのに太る」
「食事は気をつけているのに…」

「血糖値スパイク」が見られ、肥満傾向にある患者さんはよくこのように言います。以前の私(著者)は「食事に気をつけているなら、こんな数値は出ないはず」と思っていました。

ところが世の中には、それほど食べていないのに太ってしまう人が、本当にいます。これは、インスリンの脂肪合成を促進する働きによるもの。インスリンは、脂肪を脂肪細胞の中に取り込んで容量を増大するため、これが肥満に繋がる原因となるのです。

このインスリンによる脂肪合成の働きは誰にでも備わっていますが、人によってはこのインスリンが多く分泌されすぎてしまうことがあります。少し食べただけでインスリンが大量に分泌されてしまうので、食べたものが脂肪として蓄えられやすくなるのです。

自分は「太りやすい体質」だと感じる人は、インスリンが過剰に分泌されている可能性が高いです。そこまでいかなくても、現代の食生活は精製された糖質が氾濫しているので、「血糖値スパイク」への警戒はもちろん、肥満を防ぐためにも、糖質との付き合い方には注意して下さい。

生活習慣病やアレルギーの悪化
元凶は、やっぱり肥満にあり

インスリンは肥満を引き起こすだけではありません。インスリンが脂肪細胞の容量を増大化させると、もっと困ったことが起きます。それは、アディポサイトカインの産生を増加させるということです。

アディポサイトカインとは、脂肪から分泌される生理活性物質で、善玉と悪玉があります。悪玉のアディポサイトカインのひとつであるTNF-αは、様々な病気を引き起こす増悪因子です。これが増えると動脈硬化や糖尿病など、多くの生活習慣病やアレルギーなどを悪化させてしまいます。

この話でも分かるように肥満になってしまうと、何ひとつ良いことはないのです。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。