癒しの島が、島民総出で徹夜状態。

世界中の竹富島出身者が、続々と戻ってくる日があるらしい。そして、夜な夜な人の家に上がり込み、飲んだり、食べたり、踊ったり…!?

 国内屈指の人気リゾート「竹富島」の、穏やかなイメージを覆すような祭り。 その名は、「種子取祭(タナドゥイ)」。

ニンニクとタコと
泡盛はお好き?

その日、島は、眠らない。

参加者は、この儀式の習わしであるハチマキをして、夜通し島の人の家々を回るのだ。そして、それぞれの家で「ピンダコ」と呼ばれるニンニクとタコの和え物と塩、泡盛をいただいたり、島の言葉で「巻き唄」という豊穣祈願の唄を唄ったりする。しかも、回った家全てでこれを繰り返すというから、なかなかハードな感じだし、なかなかお腹いっぱいになりそうだし、なかなか酔っぱらいそうである。

そして、ニンニクとタコと泡盛が苦手な人には、なかなかの苦行、好物な人にとってはパラダイス…!

唄って、踊って、
自分の肌で感じよう

実はこれ、タナドゥイの期間中にある「世乞い(ユークイ)」という儀式。タナドゥイは旧暦の9、10月中に廻り来る甲申(きのえさる)の日から甲午(きのえうま)の日までの10日間開催されるが、ユークイはその7日目の夜に行われる。

「約600年の歴史があり、国の重要無形民俗文化財に指定されている祭り」…と聞くと敷居が高いイメージだけど、ちょっと体験してみたくなったら、人気リゾート「星のや竹富島」の期間限定プログラムで気軽に味わうこともできる。オリジナルロゴの入ったハチマキを巻き、島の人々のお家を巡り、ピンダコや塩、泡盛をいただく。おそらくみんなが知らなくて不安になっている「巻き唄」の練習時間もあるので安心、安心。島の人々の一体感や、祭りにかける想いに触れることができる、貴重な機会になるはずだ。

ちなみにピンダコは家々によって味が違い、長く漬けるとより美味しくなるそう。島の人は皆美味しいピンダコを振る舞いたいと、早い時期からピンダコの仕込みを始めるんだとか。

一致協力することが
何よりも大切

もし、ユークイの体験中にわからないことがあれば、遠慮しないで島の人や周りの人に助けてもらおう。 

 

かしくさや うつぐみどぅまさる

 

ちなみにこれは、竹富島の人々の根底にある基本精神。500年前の島の偉人の遺訓といわれているこの一文には、「一致協力することが、何よりも大切である」という意味がある。タナドゥイで行われる約70もの奉納芸能は、もともとは坡座間村と仲筋村という島内ふたつの村による競演という形で行われていたが、島民はまさにこの精神のもと、現在では西集落、東集落、中筋集落が一致協力して踊り、舞い、祭りを盛り上げていくのだ。

だから祭りの参加者も、協力することが大事。まさにこれ。

祭りに加わると
その土地と繋がる気がする

 そこで生まれたわけでも育ったわけでもないのに、その土地の祭りに参加すると、少しだけその土地の人々や土地そのものと繋がったような感覚になるものだ。自分の田舎以外にも心休まる場所が増えるような、「第二の故郷」ができるような、そんな感覚とも言えるかもしれない。

2017年のタナドゥイは、10月24日が初日、奉納芸能は10月30日〜31日、ユークイは10月30日に開催される。青い海を眺めながら、白い砂浜での穏やかな時間。そんな定番の過ごし方もいいけど、タナドゥイの体験を通して、もっと深く竹富島に染み込み、繋がるような旅もいいかもしれない。

【星のや竹富島 ユークイ体験ツアー】

開催日:2017年10月30日(月)
料金:無料
含まれるもの:夜の集落周遊、唄の練習、ハチマキ
定員:16名(最少催行人数:1名)
参加方法:星のやフロントにて当日18時までに要予約

Licensed material used with permission by 星のや竹富島
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。