男ひとり。「星のや竹富島」に泊まって考えたこと

GoPro社の新製品「Fusion」を実際に使ったレビューを書くというミッションで、3月末に僕は石垣島と竹富島へ向かった。

そこで、どうしても別枠で記事にしたい経験をしてしまった。

一生に一度は行きたい最高級リゾートなんて言われる、「星のや竹富島」に宿泊させてもらえたのだ。この記事では、そこで体感した非日常のなかにあった沖縄の日常について書いていく。

ゆるやかに始まる「非日常」

© 2018 TABI LABO

いま思えば、「星のや竹富島」の体験は門をくぐる前から始まっていた。

一般的なホテルでいうところの玄関がない。あるとしたら内と外をゆるやかに分けるヒンプンと呼ばれる壁くらいか。どこからどこまでがホテルなのか?と聞かれても、はっきりとは答えられないと思う。

明確な仕切りがないから、いつのまにかレセプションに着いているという感覚だ。

チェックインを済ませたあとは、専用カートで客室へと移動していく。

© 2018 TABI LABO
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カートはゆっくりと走り、その間にホテルの基本的な説明を受ける。そして、沖縄らしい平屋にたどり着く。

部屋の中も開放感のあふれる設計になっている。窓を開けて縁側に腰かければ、外を歩く他の宿泊客の声も聞こえてくる。

普段はイライラするだろうノイズも、ここでは耳心地のイイ自然音だ。

 

……なんて思っていたときには、僕は非日常を体感していたのだろう。

忙しすぎる生活を送っていると、自分以外の何かを気にかけるのは難しい。でも、ゆったりとした時間が流れる竹富島では、いつもなら気にかけない「道端に咲いている花」や「空に浮かぶ雲の色の違い」でさえも意識を向けられる。

少し粒の大きい竹富島の白砂を踏みしめるときの「サクッ」という音、石垣の隙間を通り抜ける「ヒュー」という風の音までも。

多くのモノやコトを無意識に自分はシャットアウトしているのだと気づかされる。非日常を体験したからこそ分かった発見だった。

感じはじめる「沖縄の日常」

© 2018 TABI LABO

どこでもゆるやかにつながっているように思えた。もう少し説明するなら、縁側の空間が隣の部屋に、集落に、島に広がり、全体を包み込んでいるようなイメージ。

同じ空間で生活している感覚になるから、知らない人に対しても親近感が湧いてくる。沖縄に暮らす人が誰にでも優しいのは、このエネルギーが関係しているのかもしれない。

 

日が落ちてくるころにはお腹が空いていたので夕食をとった。少し食べ過ぎたので夜には散歩をした。疲れたからベッドに入った。

ただただ自分の体に耳をすませて、したいことをするだけ。ゆったりとした時間が流れている。ウチナンチューのおおらかさは、東京とは異なる時間感覚が影響しているのかもしれない。

© 2018 TABI LABO

家族で行けば、いつもなら恥ずかしくて話せないことも自然と口に出てきそうだし、パートナーと行けば、お互いのことを知り絆を深められるチャンスにもなりそうだ。

ひとりで部屋に泊まった僕にとって、「星のや竹富島」は非日常のなかにある沖縄の日常を体感させてくれた場所。自分と徹底的に向き合う機会だった。

 

冒頭でも触れたけれど、もともとはGoPro社の新製品を使うために、僕は石垣島と竹富島に行った。だから、どんな時でも新感覚の360度カメラを持っていた。「星のや竹富島」でも同じ。

何が言いたいのかというと、この記事で使われている写真はすべて「GoPro Fusion」で撮ったもの。広角レンズや魚眼レンズを使ったような画像があるのは、これが理由だ。

Top photo: © 2018 TABI LABO

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。