「家と会社の往復」という言葉に、ドキッとしたあなたへ。
職場は都内で、住んでいるのも都内。遊びに行くのも近場で、同じメンツが多い。ある日、ひとりの友人が、こうぼやいていた。
「何年も変化のない暮らしを続けてしまうと、新しい発見がなくなったり、自分と異なる考え方を受け入れられなくなってしまう」
と。
そんな友人に、紹介したいサービスがある。それが最近リリースされた『NuMundo JAPAN(ニュームンド ジャパン)』。
「NuMundo」って
なんだ?
創立者のデビッド・ケイシー氏は、大学卒業後にラテンアメリカや中南米を旅し、エコビレッジなど、自給自足をしながら自然と共に持続可能な生活を育むコミュニティを巡ったという。それは原始的な暮らしというより、心身ともに健康で、充実感のある生き方を実践する未来的なコミュニティとの出会いだった。
デビッド氏は、生き方や世界観が拡張する喜びを、多くの人にも体験してもらえたらと、2013年5月にwebサービス『NuMundo』を設立。今まで陽の当たりにくかった新しいカルチャーを、わかりやすい形でプラットフォーム化したのだ。
現在『NuMundo』には、エコビレッジを中心になんと世界300を超えるコミュニティが登録されており、そこでの宿泊・体験プログラムが利用できる。
そして今年、9月13日に日本版の『NuMundo JAPAN』がローンチされ、併せてシンポジウムも開催。そこでは、デビット氏や、国内版の代表者である鯉谷ヨシヒロ氏の思い、サービス内容、そして国内で登録されたコミュニティの紹介などが行われた。
コミュニティって
どんなもの?
『MuNundo JAPAN』代表の鯉谷ヨシヒロ氏も、大学卒業後に世界各地のエコビレッジを巡っていたそうだ。そこには現地の人々だけではなく、アメリカやヨーロッパなどの先進国から来ていた人もいて、自分たちで野菜を作り、持続可能な暮らしを育んでいたという。
みんな、経済的な成功よりも、“自然やそこに生きる人々と共に生きる幸せ”を大切にしていたのだ。
「そういった新しいライフスタイルを持った人は、なかなか社会には出てこないんです。でももっと多くの人に知ってほしいし、そこでの体験は、必ず価値観を変えるほど大きなものになると思う。そんなコミュニティでの体験を提供したいし、いつかコミュニティ同士でつながりあい、暮らしのムーブメントになってほしい!」
そう語る鯉谷氏は、2017年一万人の村づくり「Co-Re」プロジェクトを始動。その第一弾として世界中でエコビレッジでの宿泊・体験を提供していた『NuMundo』の国内版『NuMundo JAPAN』を立ち上げた。
登録されているコミュニティは、エコビレッジだけでなく、パーマカルチャーセンターやヨガリトリートセンターなども含まれ、総称として「Coビレッジ」と名付けられている。
最先端な暮らしを実践する
熊本「サイハテ村」
「Coビレッジ」の代表例としては、2011年に開村した熊本県にある「三角エコビレッジサイハテ」だ。敷地は1万坪で、住人は27人。リーダーやルールもない「お好きにどうぞ」という驚くべきコンセプトで、日々訪れるビジターとひとつの家族のように暮らしている。サイハテ村の特徴はアーティスト・クリエイターの多さと、毎日のようにSNSやメディアを使った情報発信力が行われ、テクノロジーと自然がうまく共存しているところだろう。
佐々木俊尚の著書『そして、暮らしは共同体になる』でもサイハテ村について触れられていて、“新たな共同体の再興”として、こう書かれている。
憧れる立派な何者かになるために自由を求めるのではなく、好きな人たちと一緒に居られる、そういう生を実現することこそが大切ということなのです。
個性的であるということが、自分で人生を切り開いていく自由への道のりだった時代もありました。しかしその自由を実現すればするほど、わたしたちは孤独になっていた-わたしたちは「孤独ではない自由」を求めたい。個性的ではなく普通であることにあたらしい開放感を感じ、普通であることが他人とのあたらしいつながりを生みだしていく。
幸せな人生を「孤独ではない自由」として再定義するなら、僕らは共同体を持ち、文化を身につける必要があるのかもしれない。
『NuMundo JAPAN』が
ライフスタイルを変える
シンポジウムでは、この他にも登録している国内22箇所の中から11の「Coビレッジ」の発起人が集まり、自分のライフスタイルを紹介した。それは、千葉県いすみ市から屋久島まで、場所もスタイルもさまざま。
これまで、一人の旅行者として住人と関わることは難しかった。しかし『NuMundo JAPAN』を使えば、それが可能になるのだ。登録された「Coビレッジ」ではゲストを迎える姿勢があり、キャンプ、バーベキュー、ワークショップといったプログラムを用意しているところも多いという。
また、住人の中には移住者も多くいるため、今後移住を検討している人にとっては、先輩たちに魅力や苦労話などを聞けるチャンスにもなるだろう。
サービスのリリース後、登録が増え続けているコミュニティや宿泊施設、体験プログラムは公式WEBサイトで確認してみてほしい。
都市とは離れた場所で、自分とはまったく異なる暮らしをする人々と触れ合う。時間に束縛されないゆとりが生まれ、異なる価値観を受け入れられる気持ちにもなるのかもしれない。
『NuMundo JAPAN』を使えば、退屈した暮らしに新しい発想が生まれるのだ。冒頭でぼやいていた友人に、早速このサービスを教えなくては。