もう死んでいる。なのに、溢れるほどの「生命力」を感じた。

 

命を感じる——。

 

 

これは竹細工。もちろん、生きてなんていない。なのに、あふれんばかりの生命力を感じてしまった。緻密なのに、力強い。カサカサ……と、今にも動きそうな虫たち。

 

見れば見るほど、美しい。

この虫たちの生みの親である『Bamboo Insects 昆虫竹細工』に、どうして竹を使って虫をつくるのか話を聞いてみたところ。

僕は田舎育ちのため、「竹」は自分にとって身近な素材でした。それに、父と祖父も竹細工をつくっていましたからね。

 

小さい頃は、カブトムシやクワガタをよく追っかけていました。大人になった今では、虫が好きというわけではないのですが、モチーフとしては最高だと思っています。実物大で再現できるのも魅力ですしね。

 

それに、竹は繊維の塊。細い枝でも折れない強度があります。虫の細い足や触覚を再現するのには最適なんです。その反面、小さく切ってしまうと、繊維だからこそ割れてしまうということも。かなり苦労しながら、つくっているんですよ。

しー静かに。耳を澄ませば、虫たちの鳴き声や羽ばたく音が聞こえてきそう。それに、虫の気配も。

 

竹から生まれたのは、かぐや姫みたいに美しい昆虫たちだった。

 

Licensed material used with permission by Bamboo Insects 昆虫竹細工, (Twitter), (Facebook)
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。