和のアートで溢れる「パークホテル東京」に泊まりたい!

Artist in Hotel」とは、東京・汐留のパークホテル東京で2012年12月にスタートしたプロジェクト。アーティスト自身がホテルに滞在し、実際に施設やサービスを利用しながらその場の空気を感じ取り、ホテルの客室を“作品”として制作するものです。

彼らは、部屋の壁紙に直接絵を描いたり、原画やオブジェを壁に設置したりと、自身の世界観を余すことなく表現。今回は完成済みの17室の中から5つをピックアップして紹介します!

01.
『十二支』

「十二支」03

画家・安元亮祐氏が、11日間の滞在で制作。部屋全体を、今にも動き出しそうな動物たちが埋め尽くしています。

ネズミに騙され干支から外された猫と、神様のお情けで12ヶ月の最初の日をつ・いたち(一日)にしてもらったイタチも特別出演。ベッドに横たわると向かいにある鏡に映った虎と目が合ったり、カーテンをめくると猿が隠れていたりと遊び心満載です。

 

「十二支」01

02.
『芸者金魚』

「芸者金魚」01

制作したのは、画家・成田朱希氏。「窓から外を眺めたときに、水槽の中にいるようなイメージが湧いた」という彼女が、客室を水槽に見立て、 このプロジェクトでは初めての画材となる油絵の具で壁紙に挑戦。7ヶ月もの時間をかけて、赤い金魚を壁面のみならず天井にも作画しました。

まるで宙に浮かんだ水槽という御座敷で遊ぶ、芸者の出で立ちをした妖艶なる金魚たち。縦横無尽にひらひらと泳ぐさまが、訪れる者に不思議な浮遊感を感じさせることにーー。

「芸者金魚」04

03.
『竹』

「竹」02

画家・西川芳孝氏が制作した『竹』に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、鮮やかな緑。天井までスクっと伸びた竹が広がる空間は、 まるで竹林の中に迷い込んだような不思議な奥行きを感じさせてくれます。

窓際に立った時の目線やベッドに寝たときの目線など、シチュエーションを想像しながら、図案を検討。場所により画材や色のトーンを変え、 シンプルながらも計算された空間コーディネートが完成しました。

「竹」01

04.
『桜』

「桜」08

「もともと日本人は、襖や屏風などを用いて日常生活にアートを取り入れてきた」と話す画家・大竹寛子氏が、客室の角を屏風の折り目のように見立て、桜の木を描くという空間コーディネートを実現。

まず目に入るのは、ベッドを覆うような大きな桜。その花を儚さや魂の象徴である蝶で描くことで、散り際の美しさを表しました。

「桜」16

05.
『おたふく』

「おたふく」01

画家・近藤亜樹氏が9日間で制作。曰く、「おたふくの顔に、日本の美のすべてが詰まっていると感じた」のだそう。

「五徳の美人」とも言われ、古来人々のお手本にもされていた大きなおたふくの顔を描くことで、慎み深さや謙虚さといった、日本人の心の美しさを表現しています。

また反対側の壁には、その控えめで静かな姿が日本人に愛されてきた梅の木が、天井までびっしり。遠くから見れば力強さに溢れ、近くで見れば繊細。異なる表情で、訪れる者を楽しませてくれるでしょう。

「おたふく」04

まるで、ホテルの客室の壁がそのままキャンバスになったかのような「Artist in Hotel」。世界に一室だけのアーティストルームで作家の息遣いを感じつつ、優雅なひとときをーー。

  Licensed material used with permission by パークホテル東京

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。