「生ゴミ」を絶品イタリアンへと変身させるシェフの挑戦。
ミラノのレストラン「Refettorio Ambrosiano」には、他とは明らかに違う魅力がある。
それは、単に一流のシェフによる絶品イタリアンでも、毎日地元の人々で賑わう人気ぶりでもない。
サーブされる料理が、すべて廃棄されるはずだった食材で作られているのだ。
食料廃棄問題に大切な
「人とのつながり」
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イタリアでは毎年、約1,080億円相当の食材が、食べられることなく捨てられている。
この事態に危機感を覚えたシェフMassimo Botturaは、ゴミ箱行きになる食材を使って何か行動を起こせないかと考えた。
はじめてアクションを起こしたのは、2015年にミラノで開催された万国博覧会のとき。賞味期限が近づいている、あるいは見た目が悪いなどの理由で捨てられてしまう食材を引き取り、それらを調理して提供することができた。
彼は活動を続け、周囲にサポートをしてもらいながら、使われていなかった劇場を6ヶ月かけてレストランへと改装した。おかげで、一度にたくさんの料理をふるまえるように。
今では食料廃棄問題の取り組みの大切さを世界中に訴え、60人ほどの一流シェフに協力してもらい、日々新しいレシピを出し合っている。
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取り組みはここで終わらない。レストラン「Refettorio Ambrosiano」は、スーパーマーケットから出る廃棄物を調理してサーブするだけでなく、ホームレスや地元の人達が食事を囲んで集まり、お互いに会話を楽しむ機会も提供している。
「まだまだ食べられるのに、捨ててしまうのはもったいない」
この気持ちから始まったプロジェクトは、2015年の万博からはじまり、今も地域の人々に支えられている。
「Refettorio Ambrosiano」は、食料廃棄問題に対する私たちのあるべき姿はもちろん、それを解決するには人と人とのつながりが大切であるということを教えてくれている気がする。